新製品レポート

ドローヒッターと相性良し!TR以上の“つかまり感”「24 ベンタス レッド」

2024/11/11 07:00
「24 ベンタス レッド」の登場で「24 ベンタスシリーズ」が出揃った

PGAツアーや国内男子ツアーの選手はベンタスブラックシリーズ、同ブルーシリーズを好む一方、女子ツアーでは阿部未悠VENTUS TR RED(ベンタス ティーアール レッド)を始め「赤」を好む傾向が強い。14日にその最新作「24 VENTUS RED(ベンタス レッド)」が発売。ギアの知識が豊富なミタさんが特徴を解説し、飛距離性能、弾道、打感をアスリートゴルファーのコウタロウ(HS50m/s)とベテランゴルファーのシオさん(HS40m/s)が試打&分析する。

手元はブラック、ブルーより硬め!オフセンターヒットに強い

「ベンタス TR レッド」ユーザーのコウタロウは興味津々

【ミタさん】
今回紹介するのは「24 ベンタス レッド」です。

【コウタロウ】
私は「ベンタス TR レッド」を使っているので、レッドシリーズは興味があります。

【シオさん】
ブラック、ブルーに比べるとレッドはやさしい印象があります。

【ミタさん】
たしかに先中調子ということもあり、ベンタスシリーズのなかではアマチュアゴルファーが使いやすいシャフトかも知れません。ただし、手元部分の剛性はブラック、ブルーより硬いので注意が必要です。

「24 ベンタスシリーズ」すべてに搭載された「VeloCore Plus(ベロコアプラス)テクノロジー」

【コウタロウ】
「ベンタス TR レッド」は手元も硬いし、中間も決して柔らかくありません。

【ミタさん】
手元から中間部をしっかり締めることで、先端側の動きを出しているので、"柔らかい"とは感じにくいと思います。

【シオさん】
ベンタスと言えばベロコアテクノロジーですが、それは継承されていますか?

【ミタさん】
もちろんです。先端部分に弾性率のカーボンシートを積層することによって、オフセンターヒットしたときのねじれを抑えています。方向性はもちろん、ボールスピードも落ちにくくなっていることがメリットです。

コウタロウはQi10(9度)、シオさんはQi10MAX(10.5度)のヘッドを装着してテスト

【コウタロウ】
たしかにベンタスシリーズは、ミスヒットしたときも飛距離が落ちにくい。それがどのように進化したのか気になります。

【シオさん】
私はヘッドスピード40m/sのアマチュアでも打てるのかどうか確認したいです。

【ミタさん】
「24 ベンタス ブラック」にはない「5R」のフレックスもあるので、それも打ってみましょう!

HS40m/sでも「5R」ならイケる!ドローヒッターに合う

「『24 ベンタスシリーズ』では『レッド』がいちばんボールが上がりやすい」(シオさん)

【シオさん】
最初に「5R」を打ちましたが、「Qi10 MAX」のヘッドと組み合わせると私のようなヘッドスピード40m/sのシニアゴルファーでも十分に使えます。やさしく感じました。

【ミタさん】
ベンタス ブラック」の"棒"みたいな感覚はなかったですか?

【シオさん】
ありません。「ブラック」に比べればシャフト全体がしなってくれるので、切り返しのタイミングも取りやすい。先端も思っていたより動いてくれるので、つかまったボールが打ちやすかったです。

【ミタさん】
「5S」はどうでしたか?

【シオさん】
「5R」に比べると手元から中間部の硬さが残り、しなりが抑えられている感じがします。ただ、それでもスピンは入りますし、ベンタスシリーズのなかでも弾道は明らかに高いです。

「使用中の『TR レッド』よりつかまる感じが強い」(コウタロウ)

【ミタさん】
コウタロウはどうでしたか?

【コウタロウ】
私は「Qi10」のヘッドで「6S」を打ちましたが、ハードヒットしても暴れるような感じは一切なく、一般的な先調子系シャフトよりも安定感がありますね。また、「ベンタス TR レッド」と比べると中間部からのしなりを感じられ、"先調子っぽさ"が出た印象です。つかまえにいったつもりはなかったのですが、ドロー回転が入っていることに驚きました。ベンタスシリーズでこういう球筋は珍しい。想像以上につかまりが良いシャフトだと思います。

【ミタさん】
「6X」になるとどうですか?

【コウタロウ】
やっぱり先調子感が強いからボールがつかまる。プッシュアウトのミスとかに悩んでいる人には、ちょうどイイつかまり感だと思います。どちらかと言えばフェードヒッターよりもドローヒッターのほうが「24 ベンタス レッド」は相性が良いと思います。

コウタロウ試打データ/Qi10(9.0度)

ベンタスシリーズで唯一ドロー系のフライトが目立った
普段から使い慣れていることもあるがフェードでこのスピン量は秀逸

【ミタさん】
他に気になる点はありましたか?

【コウタロウ】
「24 ベンタス レッド」は「24 ベンタス ブラック」に比べると手元部分が太く感じました

【ミタさん】
60グラム台に関しては、特性を出すためにバット径が少し異なります。「24 ベンタス ブラック」は15.35mmなのですが、「24 ベンタス レッド」や「ベンタス TR レッド」は15.45mmで少し太い。数字上は微妙な差なのですが、握ったときのフィーリングは違うかも知れません。

【コウタロウ】
繊細なゴルファーは、好き、嫌いが出るかも知れませんね。

シオさん試打データ/Qi10 MAX(10.5度)

24ベンタスシリーズで「24 レッド」がいちばんスピン量が多かった
「TR レッド」になるとスピン量が下がる結果に

【ミタさん】
先中調子になっている「24 ベンタス レッド」はベンタスシリーズの中では最もつかまりが良いシャフトです。目安としてヘッドスピード40m/sあれば「5R」、43m/sあれば「5S」から試せると思います。ただし、「6S」以上になるとヘッドスピード45m/sは必要でしょう。「ブラック」「ブルー」に比べると「レッド」はつかまりが良い分、シャフト全体のしなりが大きいので、スイングとの相性が出やすいかも知れません。どちらかと言えば、インサイド・アウト軌道で球をしっかりつかまえたいドローヒッターに良さそうです。

【コウタロウ】
安心して右に出せるから、プッシュドローで打ったときが一番飛びました。

■ 試打したシャフトのスペック

藤倉コンポジット 24 ベンタス レッド
●モデル/フレックス/重量/トルク
RD5/R/59.5g/3.6、S/59.5g/3.4
RD6/S/65.5g/3.3、X/66.0g/3.2
●調子:先中

藤倉コンポジット ベンタス TR レッド
RD5/R/59.5g/3.5、S/59.5g/3.3
RD6/S/68.0g/3.2、X/69.5g/3.0
●調子:先中

■ マイクラブ情報

シオさん:ピン G430 SFT ドライバー
●ロフト角:10.5度 ●シャフト:NSプロ レジオ フォーミュラ MB+ 55 ●硬さ:S

コウタロウ:ヤマハ RMX VD/X ドライバー
●ロフト角:9.5度 ●シャフト:VENTUS TR RED(ベンタス ティーアール レッド) 6 ●硬さ:X

■ ミタさん プロフィール

1978年生まれ。かつてのサッカー少年が父の影響でゴルフを始めたのは高校生のとき。2014年にゴルフテックに入社し、レッスンコーチ兼クラブフィッターとして活躍した。現在はギア知識を活かして、コンテンツの企画を担当。洋服や車など好きな「モノ」への探求心が人一倍強く、作り手の素材や製法へのこだわりが大好物。デニムやスニーカーへの知識も豊富。

■ コウタロウ プロフィール

1985年生まれ。「日本一の漫才師」を夢見た幼少期を経て、学生時代はゴルフに没頭。日本アマなどに出場した。日本プロゴルフ協会(PGA)ティーチングライセンスを取得した2012年にゴルフテックに入社。長年、レッスンコーチを務めていたが、現在はコンテンツに出たり、作ったりしている。ヘッドスピードは50m/s前後。持ち球はフェード。最近は四十肩との付き合い方を模索中。

■ シオさん プロフィール

1967年生まれ。GDOでは古参の編集部員。若い頃は小ぶりヘッドのドライバーとマッスルバックのアイアンを愛用していたが、近年ではミスに強く、飛ばせるギアを好んで使用している。ヘッドスピードは40m/s前後。ミドルアイアンでグリーンに止まる球が打てないことが最近の悩み。持ち球は低めのドロー。平均スコアは80くらい。