なんなんだこの“いい顔”は そして“和製LS”の振りやすさたるや スリクソン「ZXi RKT LS」ドライバー
「スリクソン ZXi RKT」シリーズの中でも、国内外のツアープロから特に高い支持を集めているのが「ZXi RKT LS」だ。松山英樹がいち早く投入し、ライアン・フォックス(ニュージーランド)の全英オープン優勝にも貢献した。シリーズ最少の慣性モーメントを持つロースピンモデルながら、従来のLSより振りやすく、幅広いゴルファーが扱える仕上がりになったという。ギア知識が豊富なミタさんがヘッドの特徴を解説。飛距離性能、打感、構えやすさを、アスリートゴルファーのコウタロウ(HS50m/s)とベテランゴルファーのシオさん(HS40m/s)が試打し、分析した。
シリーズ最小MOI 振りやすさが際立つ新「LS」
【ミタさん】
今回紹介するのは「スリクソン ZXi RKT LS」。名前の通りロースピンタイプのヘッドです。
【コウタロウ】
これは興味ありますね。
【シオさん】
正式発表前から米国ツアーでも日本ツアーでもたくさんの選手が使っていますね。
【ミタさん】
前作から形状も変えていて、後方部分をさらにシャープにしています。重心ポジションもやや前方に持ってきています。
【シオさん】
フェースが大きく見えますね。
【ミタさん】
前作よりもひと回り以上ディープフェース化したことで、ヒール側からセンター付近にかけてフェース高をしっかり確保しています。重心位置も相対的に低くなりました。
【コウタロウ】
松山英樹選手がすぐ使った要因はどこでしょうか?
【ミタさん】
総合的な完成度や形状の好みも大きかったと思いますが、フェースを「VR-チタン」にした影響も大きいと思います。松山選手は「ゼクシオ14」の試打動画でも、新しいフェースをかなり高く評価していました。今回の新作についても「まさにロケットのような初速と振り抜きの良さが気に入っています」とコメントしています。
【シオさん】
でも、やさしいドライバーではないですよね?
【ミタさん】
数字だけを見れば、シリーズで最も慣性モーメントが小さく、スピン量も最少です。ただ、松山選手は極端にシビアなクラブを好むタイプではないので、一定の寛容性も考慮した設計になっていると思います。
顔の良さは今年イチバン!振りやすいから芯に当たる
【コウタロウ】
まず、アドレスしたときの顔がいい。これは松山選手のこだわりなんじゃないですか。抜群にいいですね。
【シオさん】
アスリートゴルファーじゃない私にとっても構えやすいし、安心感があります。
【コウタロウ】
構えたときにフェースがバチッと目標方向に対してスクエアに向くのがいい。今年のドライバーで一番良い顔をしています。
【ミタさん】
打った印象はどうですか?
【コウタロウ】
音も弾道もいい。今回のシリーズでは、これが一番飛びました。勝手な推測ですが、今回の「RKTシリーズ」はまず「LS」を作ってから他のモデルを開発したんじゃないかと思うくらい完成度が高い。正直、欠点らしい欠点が見当たりません。
【ミタさん】
コウタロウはキャリーで280ヤード、トータルで300ヤードを超えていましたね。
【コウタロウ】
コブラの「LS」に比べるとやさしい。でもやさし過ぎないところがいい。左はしっかり消しつつ、安心して叩いていけます。打っていて気持ち良さがあるドライバーです。「ベンタス」シリーズや「ツアーAD DI」など、粘り系シャフトとも相性が良いと思います。
【ミタさん】
もともとスピン量の少ないシオさんには厳しい結果でしたね。
【シオさん】
打ち出し角は多少出ていたんですが、やっぱり私にはスピン量が少な過ぎました。純正設定シャフト「ベンタスTR ZXi-II」も、「ディアマナ ZXi-II」に比べると先端側の動きが穏やかで、しっかり感があります。ただ、今までの「LS」に比べるとかなり振りやすくなっていますし、コアモデルよりもさらに振りやすい印象でした。
【ミタさん】
どんなゴルファーに向いていますか?
【シオさん】
決してアスリートゴルファーだけではなく、ヘッドスピード42m/s前後でスピン量が多いタイプのゴルファーなら問題なく使えると思います。
【コウタロウ】
もちろんバリバリのアスリートゴルファーにとっては本命でしょう。昔からスリクソンを使っていたけれど、最近は海外メーカーのLSモデルに浮気していた人に打ってほしいドライバーです。今回のシリーズで最も飛びのポテンシャルを感じました。
【ミタさん】
「ZXi RKT LS」はシリーズで最も慣性モーメントが小さいロースピンモデルです。ただし、海外メーカーのLSモデルと比べると振りやすく、適度なつかまりもある。極端に難しいドライバーではなく、打ち出し角も確保しやすいため、セミアスリートから競技ゴルファーまで幅広く対応できる。さらにウエートを前後入れ替えれば慣性モーメントも高まり、よりマイルドな特性への調整も可能。従来のLSよりも間口が広がったモデルと言えるでしょう。
【コウタロウ】
とにかく顔がいい。顔にこだわる松山選手が認めた形状なんだと思いますね。
まとめ
スリクソン ZXi RKT LSドライバー
●ロフト角:10.5度(シオさん)、9度(コウタロウ) ●ベンタスTR ZXi-II 5(シオさん)、シャフト:26ベンタス TR ブルー6(コウタロウ) ●硬さ:S(シオさん)、X(コウタロウ)
■ ミタさん プロフィール
1978年生まれ。かつてのサッカー少年が父の影響でゴルフを始めたのは高校生のとき。2014年にゴルフテックに入社し、レッスンコーチ兼クラブフィッターとして活躍した。現在はギア知識を活かして、コンテンツの企画を担当。洋服や車など好きな「モノ」への探求心が人一倍強く、作り手の素材や製法へのこだわりが大好物。デニムやスニーカーへの知識も豊富。
■ コウタロウ プロフィール
1985年生まれ。「日本一の漫才師」を夢見た幼少期を経て、学生時代はゴルフに没頭。日本アマなどに出場した。日本プロゴルフ協会(PGA)ティーチングライセンスを取得した2012年にゴルフテックに入社。長年、レッスンコーチを務めていたが、現在はコンテンツに出たり、作ったりしている。ヘッドスピードは50m/s前後。持ち球はフェード。最近は四十肩との付き合い方を模索中。
■ シオさん プロフィール
1967年生まれ。GDOでは古参の編集部員。若い頃は小ぶりヘッドのドライバーとマッスルバックのアイアンを愛用していたが、近年ではミスに強く、飛ばせるギアを好んで使用している。ヘッドスピードは40m/s前後。ミドルアイアンでグリーンに止まる球が打てないことが最近の悩み。持ち球は低めのドロー。平均スコアは80くらい。