「しっかり叩ける安定系シャフト」フジクラシャフト スピーダー エボリューション 4
しなり幅が小さくて高品質なコシがある
【ミーやん】スピーダー エボリューションは、今回で4代目になります。メーカーによると、2代目の『スピーダー エボリューション 2』(オレンジ色のモデル)のミートのしやすさを残しながら、球のつかまりを加えたモデルだそうです。
【ツルさん】『スピーダー エボリューション 2』は、手元側のしなりを感じやすく、それでいてスピーディーなしなり戻りで好評を得たシャフトでした。ただ、一部のゴルファーからはプッシュしやすいという意見もあったようです。そこで今回の『スピーダー エボリューション 4』では、つかまりを改善しようという意図があったのでしょうね。
【ミーやん】試打シャフトは、もっともポピュラーな60グラム台のフレックスSなのですが、振ってみるとあまりしならずハードに感じます。
【ツルさん】全体的に剛性感が高くて、しなり幅がとても小さいです。これまでのスピーダーにあったような走り感や弾き感は、ほとんどありません。イメージしていたフィーリングとは違っていて、意外でしたね。
【ミーやん】自分で頑張ってシャフトをしならせないといけないので、これで18ホールをラウンドすると思うと、けっこうしんどいです。しなり方には違和感がないので、もう少し柔らかければ問題なさそうですね。ボクぐらいのヘッドスピード(43m/s)の人なら、重量を50グラム台に落として、フレックスをSRにした方がいいかも知れません。
【ツルさん】しなるポイントはシャフトの中間部ぐらいで、クセのない中調子です。重さと硬さのスペックを間違わなければ、使える人は多いと思います。ただし、球のつかまりを良くしたり、弾道を上げたりする補助的な機能は感じませんでした。いちばんの長所はヘッド挙動と弾道の安定性を高めてくれるところでしょうね。
【ミーやん】ハードさを感じますが、安定感もありますね。球があっちこっちにバラけることがありません。このシャフトに似ているモデルは、他にありますか?
【ツルさん】『スピーダー エボリューション 2』の後継や改良モデルという印象ではありませんでした。フィーリング的には、フジクラが工房向けに作っているジュエルラインの『ダイヤモンド スピーダー』や『プラチナム スピーダー』に近いです。ハリ感とねじれづらさを備えていて、高品質なカーボン素材が使われているのが分かる振り心地です。
【ミーやん】ダスティン・ジョンソンが使っていた黒いコスメの『スピーダー エボリューション TS』とは別モノなのでしょうか?
【ツルさん】ぜんぜん違いますね。『スピーダー エボリューション TS』は、手元側がユルめで先端側が硬い典型的な中元調子なので、左へのミスを減らして強弾道を打つためのシャフトです。『スピーダー エボリューション 4』は、しなるポイントがもっと中間寄りでクセがなく、しなり幅も小さいです。スペックを選ぶとき、安定感を求めるなら少しハードに感じてもこれまでと同じ重さ、フレックスを選ぶといいでしょう。弾き感を求めるなら、しならせやすいようにフレックスを落とすのがいいと思います。
■ 試打クラブのスペック
スピーダー エボリューション 4
モデル:661、フレックス:S、重さ:67.5グラム、トルク:3.7、ヘッド:テーラーメイド M2 ドライバー(2016年)、ロフト角:10.5度
発売日:2017年9月15日、価格:税抜40,000円(税込43,200円)
■ マイクラブ情報
ミーやん:ピン G30 ドライバー(ロフト角:10.5度、シャフト:オリジナルカーボン、フレックス:SR)
ツルさん:テーラーメイド M1 460 ドライバー(ロフト角:10.5度、シャフト:USTマミヤ アッタス パンチ 6、フレックス:X)
■ ミーやん プロフィール
1978年生まれ、自分に合うクラブを求めて、片っ端から新製品の試打を行うエンジョイ志向のGDO編集部員。ヘッドスピード42m/s、持ち玉は低・中弾道のドローというか、むしろチーピン。チーピニストからの卒業を目指し、現在はスイングを改造中。
■ ツルさん プロフィール
1974年生まれ、シングルの腕前を持つ。とにかくボールを打っていたいギア好きのゴルフライター。メーカーの新製品発表会には出向くのはもちろん、毎年アメリカのゴルフ見本市「PGA SHOW」に行って最新クラブをチェックしている。ヘッドスピード46m/s、持ち玉は中・高弾道のドロー。