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ニコン特集
2023/08/03

“ピン”ポイントでロックオン! ゴルフ用究極レーザー距離計のザ・ヒストリー

連載:正確な距離を知ることの必要性と技術革新
ニコン「COOLSHOT」開発物語 ゴルフ用レーザー距離計「COOLSHOT」のヒストリーとは? (左から)開発担当の塩澤雅弘と臼木俊一、マーケティング担当の滝沢綾子が明かす(撮影:有原裕晶)
ゴルフ用レーザー距離計「COOLSHOT」のヒストリーとは? (左から)開発担当の塩澤雅弘と臼木俊一、マーケティング担当の滝沢綾子が明かす(撮影:有原裕晶)

「ニコン」という社名を聞けば、おのずとカメラを思い浮かべる人が多いだろう。創業から100年を超える歴史を誇り、店頭にはプロユースから一般ユーザー向けまで多くのカメラ製品が並ぶ。しかし、その原点は“双眼鏡”だ。

1917年に光学機器の国産化を目指し「日本光学工業株式会社」として創業すると、1921年には初めて開発、設計、製造などをすべて自社で行った双眼鏡を世に送り出した。

そして、カメラと双眼鏡、双方の技術を結集する形で作られているのがゴルフ用のレーザー距離計「COOLSHOT」シリーズだ。2016年には世界初の手ブレ補正機能を搭載したモデルを発売し、多くのユーザーに愛用されている。これまでの開発の歴史と未来を、現在の開発陣とともに見ていこう(敬称略)。

お客様の声を聞くことは「特別な体験」

ニコン「COOLSHOT」開発物語 店頭に並ぶ製品を開発する2人にとって、一般ユーザーの声に直接触れることは新鮮な喜びだ(撮影:有原裕晶)
店頭に並ぶ製品を開発する2人にとって、一般ユーザーの声に直接触れることは新鮮な喜びだ(撮影:有原裕晶)

レーザー距離計の開発は双眼鏡や携帯型顕微鏡などを扱うグループ会社「株式会社ニコンビジョン」が行っている。

現在の開発の主要メンバーとなるニコンビジョン設計部第二設計課の塩澤雅弘は、10年前に入社。前職では産業機器の設計を行っていたという。同じく設計部第一設計課の臼木俊一も、自動車部品の開発を担当する仕事をしていた。2人に共通するのは、前職では一般ユーザーの目に触れる製品の開発を行ってこなかったこと。それだけに家電量販店やゴルフショップに自身が設計した商品が並んでいるのを見ると、新鮮な喜びがあった。「ゴルフフェアなどでお客さんの声を直接聞けるというのは特別な体験だったなと思っています」(塩澤)

ユーザーから直接得た反応は、開発の参考にすることで、その後のモデルに確実に生かされている。

“世界初”の機能搭載も小型軽量化に改善の余地

ニコン「COOLSHOT」開発物語 世界初の手ブレ補正機能を搭載した「COOLSHOT 80i VR」(右)だが、ユーザーから軽量・小型化を望む声も聞かれた(撮影:有原裕晶)
世界初の手ブレ補正機能を搭載した「COOLSHOT 80i VR」(右)だが、ユーザーから軽量・小型化を望む声も聞かれた(撮影:有原裕晶)

ニコンのレーザー距離計の初代モデルが発売されたのは1999年。当時、米国でレーザー距離計が普及し始めていたことと、日本でもセルフプレーが主流になりつつあったことから参入を決めた。

高い精度で正確に距離を計測することはもちろん、いかにピンまでの距離を素早く捉えるか、使いやすさにもこだわってきた。そして、それが大きく実を結んだのが、2016年、世界初の手ブレ補正機能を搭載した「COOLSHOT 80i VR」と「COOLSHOT 80 VR」の発表だった。画期的な機能を搭載したモデルの登場で、販売数は大きく伸びた。

しかし、ユーザーからの反応の中に、改善の余地が見られた。「要望の中で多かったのは小型軽量化でした。初代の手ブレ補正モデルはコンパクトデジタルカメラの部品をそのまま使用していたので、それに合わせて一部が出っ張った形状をしていたんです」(塩澤)

この課題を解決すべく開発された後継機では、レーザー距離計専用に開発した小型の手ブレ補正用部品を搭載させた。電気部品の開発を担当している塩澤は、小型化に大きく貢献した理由を「前作で2枚入っていた電子基板を1枚にすることで、出っ張りのないスリムな形状にでき、同時に約30グラムの軽量化も実現できました」と話す。これもお客様の声に真摯に向き合った開発の結果である。

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