日本シャフト特集
2022/05/02

シャフト開発の極意は「固定概念を捨てる」こと プライベートでも貫く開発者の信念

連載:“こだわりの人”に聞くライフスタイル&仕事術
日本シャフト開発課主査の藤原甲介のこだわりとは?(撮影:岡崎健志)

<“こだわりの人”に聞くライフスタイル&仕事術>

技術、クラブ、ウェア……。ゴルフのこだわりは人それぞれ。そこに様々な楽しみ方が存在するからこそ、幅広い層に愛され続けているのだろう。日本シャフトは完全国内生産でスチール、カーボンの両方を扱うこだわりのシャフトメーカー。新たなシャフトを生み出す開発陣から、それを手にするエンドユーザーまで、同社の周りには“こだわりの人”にあふれている。

食生活を一変させた固定概念を持たない“こだわり”

固定概念を捨てた“食の改革”で体重10キロ減少のこだわりも(撮影:岡崎健志)

「固定概念を持たない」――。仕事でも、プライベートでも、日本シャフトの生産本部開発課主査の藤原甲介(敬称略、以下同)のこだわりはこの言葉に集約される。昨年11月に始めたのは“食の改革”。「おなかがすいたから食べる」という固定概念を捨てたのだという。

「美味しいものだけを食べたいんですよ。月の食費が3万円だとしたら、普通は毎日1000円ずつ食べるのですが、それを1万円の食事3回にする。極端ですけど、イメージとしてはそんな感じです」

1カ月に3食とまではいかないが、実際に何も食べない日が度々あり、最初の2カ月で体重10キロ減少のダイエットにも成功。「今までの普通を壊さなければ、新しいものなんて生まれないんです」と話す。シャフト開発者の言葉と思って聞くと、かっこいいフレーズだが、“食の改革”を知った後では印象は違ってくる。

「思いつくものはほとんど作った」 会社に秘密の試作品も

多数決では「大抵負ける」という独特の感性の持ち主なのだそうだ(撮影:岡崎健志)

「数本のプロトタイプからどれを市販化するか、新製品のデザインにどちらを選ぶか、そんな場面で多数決を取ることが多いのですが、そういうとき、私は大抵負けるんですよ。(笑)」と、社内でも独特の感性の持ち主であることは確かなようだ。

そんな藤原が専門とするシャフトの開発とはどのようなものだろうか。実はスチールとカーボンでその色合いは大きく異なる。

「スチールの開発には制約がすごく多いんです。『この工程ではそこまで大きな負荷をかけられない』とか、自由度が少ないので、私も最初の何年かはその制約に戸惑いました」

スチール素材については、「MODUS3」シリーズなどの一般的なアイアン用、「ZEROS」シリーズなどの軽量用、パター用の3種類となる。設計の自由度は少ないが「制約を守れば、それなりのものはできる」のが特長なのだという。

「スチールについては市販されているもの、プロにだけ提供しているプロトタイプ、社内でしか知られていない試作品に、会社にも秘密で作った私の試作品を合わせると、思いつくものはほとんど作ったと思っています」と語る。

もちろん、スチールの開発が終わったわけではなく、「私が思いつかないものを作る後輩が育つのを期待しています」と、若い開発者を育成するのも、年々、重要な仕事になっているそうだ。

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