日本シャフト特集
2022/08/15

イメージが広がるからこそ楽しい 写真家・宮本卓が語る仕事とゴルフ

連載:“こだわりの人”に聞くライフスタイル&仕事術

“ゴルファー”としての楽しみ

宮本にとってゴルフ場は広い意味での仕事場となるが、ことしは一人のゴルファーとして足を運ぶことも増えてきた。東京から神戸に拠点を移したことで、プレーをしやすい環境が整ったことが大きな要因。もう一つが、シャフトとの出会いだった。

シャフトもまた、宮本に豊かなイメージを湧かせるアイテムのひとつだ(撮影:中野義昌)

「年齢とともに飛距離が出なくなって、軽いカーボンシャフトでロフトが立ったアイアンを使うようになっていたんだけど、フィッティングを受けたら『それは違いますよ』と。全く逆のアイアンを勧められたんだよね」。別モデルのヘッドに装着されていたシャフトは、日本シャフトの「N.S.PRO 950GH neo」。もう使いこなせないと思っていたスチールシャフトを10年ぶりに手にすると、決してロフトが立ったアイアンではないにもかかわらず、飛距離が少しずつ戻ってきたのだという。

「今はとにかくパー3が楽しみ。こういう弾道であそこに落とせば寄っていくだろうなんて、ティイングエリアでイメージしている時が一番楽しい。アマチュアだから、そのイメージを形に…とはいかないけど、シャフトがイメージを広げてくれるという感覚はあるんだよね」

拠点を兵庫に移してラウンドを楽しむ機会が増えたという(撮影:中野義昌)

スピンの効いたショットをピンの根元に落とす、手前から転がす、傾斜を使って寄せる。同じホール、同じピンに対しても攻め方はさまざま。現実には思い通りの結果にならなかったとしても、想像の中では写真と同様、宮本卓らしいショットがしっかりと存在している。

ことしで65歳を迎えた。「もう人生の最終章。ずっと階段を登ることばかり考えてきたけど、これからはゆっくり降りていくことも考えないといけない。そんな年齢でも楽しめるのがゴルフの醍醐味。そのためには道具選びも大事なんだと、今さらながら思い知らされたよ」と笑う。スチールシャフトとの“再会”は、ショットのイメージだけではなく、これからの人生のイメージも広げてくれたようだ。

撮影とゴルフについて話題が尽きることはない(撮影:中野義昌)

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