日本シャフトで結ばれたカリー・ウェブと藤田さいきの今とこれから
第一線を退き、現役時代とは違ったスタンスでゴルフとかかわるカリー・ウェブ(48)と昨年の「AIG全英女子オープン」で自身初の海外メジャー出場を果たすなど、ベテランと呼ばれる年齢を迎えてさらなる進化を見せる藤田さいき(37)。
2人は今秋、契約先の「日本シャフト」のはからいで、サプライズ対面を果たした。ゴルフとの適度な距離感を楽しむレジェンドと現役としてさらに上を目指すベテランが、それぞれの今とこれからを語る。
■2人の共通点
ラウンド対決や対談を通じて、藤田はいくつかの質問をウェブに投げかけた。例えば、トラックマンなどの計測機器の必要性について。
「最近の若い選手は少し計測機器に頼り過ぎかなと思っています。ゴルフはフィーリングが大事ですし、コースは常に平らではなく、さまざまなライに対応しなければなりません。それらは計測機器を使って身につけられることではありません」
会話の内容を明かしたウェブは、さらにこう続けた。「私自身、新しいクラブをテストする際には参考にしていますが、それ以外ではほとんど使用しません。彼女もほぼ使っていないというので『同じだね』という話をしました」
■藤田の目標は「40歳まで飛距離を伸ばすこと」
藤田は11月に38歳の誕生日を迎える。若手の台頭が目立つ国内女子ツアーにおいては間違いなくベテランプレーヤーだが、実力はまだまだ健在だ。昨季は11年ぶりのツアー優勝を果たし、今季も早々に2024年のシード維持を確実にしている。
「30歳ぐらいから『いつ辞めるか分からない』と言い続けているので、もはや辞めないんだろうなと思っています(笑)。とりあえず、今の目標は40歳まで飛距離を伸ばすこと。その先は維持になるのか、さらに伸ばすと言い出すのか、わかりませんけどね」
引退が頭の片隅にもないからこそ、ウェブに対して、自身のプレースタイルや練習方法に直結する質問を立て続けにぶつけた。
国内ではツアー通算最多となる7度目のホールインワンを狙い、通算7勝目となる次の優勝、そしてその先には再び海外メジャーの舞台に立つことを見据えている。
「初めてのメジャーは本当にフワフワして、初日のスタートホールはとにかく緊張していました。その後はスコアが悪すぎて心が折れていくんですけど(笑)。でも、一度経験したことで、次はこんな準備をしていきたいとか、そういう思いも強くなりました。なんとかして、もう一度出たいと思っています」
キャリアの晩年といった雰囲気は全くなく、さらなる成長に向けて、意欲的であることが伝わってくる。