カリー・ウェブが語るクラブのこだわりと日本文化へのリスペクト
長期のシャフト契約が物語るもの
クラブへの強いこだわりもあり長くフリーで戦ってきたウェブだが、シャフトにおいては2007年から日本シャフトとの契約を継続している。
「実際には2003年あたりからずっと日本シャフトを使い続けています。当初は他にいいものがあれば替えるつもりでしたが、もう替えることはないと思ったので契約したんです」
アイアン用のスチールシャフトだけではなく、ドライバーなどウッド用のカーボンシャフトも日本シャフト製を長く愛用する。「アイアンと全く違うフィーリングのものは使いたくありませんでした。カーボンとスチールですけど、違和感なく、全体の流れがいいと感じています」。ドライバーからウェッジまで同じ感覚で振れるクラブを揃えることも、こだわりのひとつなのだろう。
日本とのつながりとリスペクト
日本シャフトとの契約後は同社の駒ヶ根工場(長野県)にも足を運ぶなど、定期的に日本を訪れている。「駒ヶ根工場では、想像していた以上に人の目と手でチェックが行われていることに驚きました。それが品質の高さにつながっているんだと思います。クラブやシャフトはもちろん好きですが、私は日本の人や文化も大好きです。互いを尊重するところは欧米人も学んだ方がいいと思います」。これまで年に一度は日本を訪れていたが、新型コロナウイルスの影響で今回は3年ぶりの来日。滞在は数日間ながら、和牛、海鮮、野菜、フルーツなど大好きな日本の食事を満喫したという。
日本とウェブのつながりとして忘れてならないのは、宮里藍との関係だろう。2006年から米女子ツアーに参戦した宮里は「ウェブ先生」と呼んで慕い続けた。
「アイとは彼女が米女子ツアーに来る前にもプレーしたことがあり、世界的な選手になりたいという強い気持ちを感じていたので、面倒を見てあげなきゃという責任感みたいなものがありました。一緒に食事に行くと、いつもノートを持っていて、ちゃんとした英語からスラングまで、知らない言葉があるたびにメモをする。そういう一生懸命なところを見ると、余計に応援したくなりました」。ともに第一線を退いた2人の交流は、今も続いている。
今後のゴルフとの向き合い方は
今後の試合スケジュールは「あまり先のことは決めていない」と話すが、12月と来年1月にはオーストラリアのトーナメントに出場することを決めている。「12月の『オーストラリアオープン』は男子、女子の同時開催となり、2つのコースを使って行われます。私はその両方のコースで優勝したことがあるのでとても楽しみです。来年も2試合ぐらいは米女子ツアーに出ると思います」
年々ツアーの舞台に立つ回数は減りつつあるが、気持ちはまだまだ現役。愛するメイド・イン・ジャパンのクラブを手に、これからも磨き上げた技を見せてくれそうだ。