買えたら超ラッキー!実は隠れた人気「長尺ジェイルバード」を研究/オグさんのPUTTER偏愛日記 #6

オグさんのPUTTER偏愛日記
今回は長尺パターです

長尺パターの新モデルは争奪戦!

今回は長尺モデル、オデッセイAi-ONE Square 2 Square JAILBIRD BROOMSTICK パターを取り上げます。皆さんは、長尺パターにどんなイメージをお持ちでしょうか。ゴルフを長く楽しんでいる方にとっては、「通常のパターがうまく打てない人向け」なんてイメージがあるかもしれません。また、ゴルフ歴が長くない人にとっては、「触ったことのない特殊なパター」、なんてイメージがあるかもしれません。

確かに、通常のパターと比べるとだいぶ長いですし、グリップは2つも付いている。「こんなの使っていいの?」というほど異なります。ですが、ルールに適合していますし、非常に有能。新しい長尺モデルが発売されると争奪戦となり、すぐに完売してしまいます。私も昨年出たオデッセイの長尺を狙っていたのですが、一瞬で売り切れてしまい購入できませんでした…。

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長尺パターは、通常のパターよりも長く重く作られています。クラブを自分で操作してボールを打つというよりは、その長さと重さを利用し、振り子のようにヘッドを動かしてボールを打ちます。シビアなコントロールが必要なく、通常のパターでは無意識にパンチが入ってしまったり、手が動かなくなってしまったりするゴルファーにとって、非常に有効なのです。

また、よく整備された速いグリーンには長尺パターの特性がマッチしやすく、そこに目を付けて通常のパターを使うゴルファーが併用するケースが増えています

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ある程度振り上げればクラブが勝手に安定したストロークを行ってくれます

【長尺のトリセツ-1】
パターの動きを妨げない

長尺パターの打ち方のコツは、いかに支点を作るか。クラブが長いため、グリップエンドを支点にし、そこを動かさないようにすることで再現性の高い振り子のストロークが自然と行えます。自分でコントロールしようとするとその特性を生かせず、かえって不安定になります。重さによる振り子の動きをいかに阻害せずにストロークするかが、長尺パターを使いこなすコツです。

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テークバックをしたら重力によるクラブの動きを阻害しないよう、支えるぐらいの気持ちで握っています

【長尺のトリセツ-2】
左手はグリップエンドを握る

長尺パターはどう握ればいいのか、と思う人もいるでしょう。基本的に好きなように握って構わないと思うのですが、前述した通り、いかにグリップエンドを動かさないかが重要です。右打ちの場合グリップエンド側を左手で握るのですが、左わきを空けるか締めるかがあります。両方試してみて安定する方で良いのですが、両肩をしっかり動かしてストロークしたいなら左わきは空けた方が良いと思います。私はエンドの固定をしっかりさせたいので左わき締める派です。

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左わきを空けるか(左)、締めるか(右)

長尺パターを使用するにあたって、ひとつ気を付けなければならないのが左手の位置です。長尺パターは、左手やパターの一部を体に密着させてしまうと違反になります。この打ち方は「アンカリング」と呼ばれ、かつては体に密着させて良かったのですが、2016年1月より禁止になりました。

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グリップや手を体に固定するとルール違反(写真右)

ことの経緯は、アンカリングをして中尺や長尺パターを使用した選手が立て続けに優勝したためで、R&Aが“優位性が高い”と判断したのです。私もアンカリングで使うために中尺パターをあつらえたことがありますが、それに慣れてしまうと通常の打ち方ができなくなりそうなほど再現性が高かったのを覚えています。その中尺パターですが、1ラウンドで封印しました。戻れなくなるのが怖かったので…。

【長尺のトリセツ-3】
右手の握り方は人それぞれ

ヘッドを送り出すように使う右手。長尺愛用者を観察してみると、皆様々な握り方をしています。共通しているのは、ゆったりと握っている、もしくは添えている感じで、ギュッと握っている人は皆無と言ってもいいでしょう。

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アダム・スコット(左)とアクシェイ・バティア(右)は親指と人差し指でグリップを軽く挟む「ペンシルグリップ」
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ウィル・ザラトリス(左)と宮里優作(右) 宮里は中指と薬指で挟んでいる
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堀琴音(左)とショーン・ノリス(右) ノリスは人差し指を伸ばしてグリップに沿わせる感じ

長尺パターのライ角は78度とかなりアップライトなので、軽く重さを支えつつ、スムーズにストロークできるように添えているといった感じ。通常のパターのクロウグリップに近いです。左手同様色々な形を試して、一番しっくり来た握り方で良いと思います。大事なのはヘッドの振り子を邪魔しないことです!

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見たことのある握り方を再現してみました。手のひらの向きや指の形は様々です

フェースの開閉が、ほぼない!

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人気のJAILBIRD。ホリゾンタルアライメントも搭載し、非常に構えやすいです

Ai-ONE Square 2 Square JAILBIRD BROOMSTICK パターのスペックは、45インチ、ライ角78度、ロフト4.3度。長尺パターとしては標準的ですが、「Square 2 Square」ヘッドに大きな特徴があります。

ヘッドの重心位置に当たるところからシャフトが生えていて、ストローク中にヘッドがほとんどねじれないように設計されています。この特性をそのまま長尺に仕上げているため、ストローク中には自分で何かしない限り、フェースはほぼ開閉しません。方向性の非常に良いパターとして完成しています。

これは長尺パターの完成形か!?

本モデルを打っての感想ですが、これはもう長尺パターの完成形なのではないかと思うぐらいの仕上がりですね。長尺パターのスペックは、近年大きくは変わっていません。パター好きの私は「1本ぐらい持っていても良いかな」と思っていたくらいでしたが、この前作に当たるモデル「Ai-ONE CRUISER BROOMSTICK #7 CS パター」を打って衝撃を受けました。同じセンターシャフトのヘッドで、ストロークの再現性を非常に高めやすいのです。ヘッドが動こうとしないのでストロークの幅だけに集中でき、タッチさえ合えば入る!そんな気にさせてくれました。

また、長尺は体を起こす形でアドレスするため、体(特に腰)への負担も少ないです。起こして構えることでラインが読みやすくなったという意見もあります。

イイトコだらけの長尺、だがデメリットも…

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狙ったところに打ち出すのは、練習においてはとても簡単です

イイことばかり書いてきましたが、長尺パターにはデメリットもあります。それは、重いグリーンへの対応です。とても重いグリーンではかなり振りかぶらないとボールが転がらず、心理的に怖くなってショートしてしまいがちです。この辺は慣れで何とかなるかもしれませんが、結構な練習量が必要だと思う部分です。

肝心の、狙ったところにボールを打ち出す性能は非常に高いです。イレギュラーがないマットの上では、ほぼすべてにおいて狙ったところに打ち出せました。もちろんコースに行ってプレッシャーがかかれば、そうは簡単にはいかないでしょうが…実際にコースで使ってみたいです!

パッティング精度が飛躍的に高まりそうだ

打ったデータをトラックマンで計測してみました。スキッド(跳ねている距離)が短く、ロール(順回転)の比率が非常に高いです。しかも安定しています。転がりが良く、安定したパッティングができていますね。これは…かなり精度が高いパッティングができそうな気がします。

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※黄色は平均値

私が絶対に欲しいと思っているAi-ONE Square 2 Square JAILBIRD BROOMSTICK パターですが、すでに最初の販売在庫は完売らしく、2025年3月14日に再度販売されるとのこと。私もこれを目指して購入予定ですが、間に合わなかったらどうしよう…。とにもかくにも、長尺に興味がある方はこのパターを買っておいて、絶対に損はないと思います!

取材協力:AR GOLF JAPAN
写真:小林司

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小倉勇人(おぐら・はやと) プロフィール

ゴルフショップ「ゴルフフィールズ ユニオン」店長。クラフトマン、クラブフィッター、さらに雑誌やウェブ記事の編集・執筆業も行う、歌って踊れるゴルフライター。好きなクラブはパター、左利き/右打ち。愛称は「オグさん」。

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