世界基準への追求と50回大会のポスターに込められた思い
ゴルフトーナメントのポスターには、各大会の開催年における特色やメッセージが凝縮されていることが多い。その中でも、ゴルフファンから多くの支持を集めてきたのが「三井住友VISA太平洋マスターズ」だ。第50回の節目を迎える今年は、果たしてどのような一枚が作られたのか。開催の熱意とともに、大会実行委員長の三井住友カード株式会社常務執行役員・佐々木丈也(敬称略、以下同)に聞いた。
ポスターに込められたメッセージ
雄大な富士山と、澄み切った青空。美しい緑に彩られたコースとのコントラストが映える大会ポスターは、1998年から18年間にわたりジャパンゴルフフェアの会場、および日本ゴルフトーナメント振興協会のホームページで実施した一般投票で、11年連続を含む14回の1位に輝いた。
今年のポスターには、「例年通りコースの魅力を伝えて行きたいという思いとともに、歴代優勝者をリスペクトして『50』の数字の中に過去の名場面を描きました」(佐々木、以下同)というデザインを採用。数字に目を凝らすと、これまで頂点に立った海外のレジェンドや日本人選手たちの印象的なシーンが散りばめられている。
大会公式ページでは、第1回からすべての歴代ポスターを閲覧できる。バラエティに富んだ作品のなかでも佐々木のお気に入りは、金谷拓実がアマチュアで制した19年のワンシーンを切り取ったもの。「コースの素晴らしさと、プロフェッショナルのテクニックやダイナミックさが表現されていると思います」と自負する、金谷が富士山に向かってショットを放つ姿を後方から写した翌20年大会のポスターだ。
かつてポスターの主役を張っていたのは、セベ・バレステロス(88年優勝)、グレッグ・ノーマン(93年)、リー・ウェストウッド(96~98年)といった海外の大物選手たち。「そのように、以前は“世界のトップを連れてくる”大会でした。これからは、この大会をきっかけに“世界へ羽ばたいて”いってほしいですね」。近年は11年に松山英樹、19年に金谷がアマチュアで優勝するなど、海外志向の強い若手が結果を出している。