ダンロップ スリクソン Z-TX ドライバー
打ってみると?
試打クラブは10.5度の純正Rシャフトと、9.5度のフジクラ モトーレスピーダーVc7.0のSシャフト。純正Rシャフト「SV3020J T-55」はアスリートモデルとしてはかなり軟らかい設定。ワッグルするとシャフト中間部分が大きめにしなる。振動数は235cpm。対して、モトーレスピーダーVc7.0はかなりハードなセッティング。振動数は273cpmと、Sにしてはかなり硬めだ。ワッグルすると手元側は棒みたいにほとんどしならない。長さはどちらも45.25インチ(ヒールエンド法計測)、クラブ重量は純正Rが302.5gでバランスがC9.5。これまたアスリートモデルとしてはソフトスペックだ。一方、モトーレスピーダーVc7.0が装着されている方は316.5gでバランスD2。こちらも70g台のシャフトが装着されている割には軽めの仕上がり。ヘッドとグリップが軽めなんだろう。
ヘッドスペックは、なぜか10.5度の方が開いていてマイナス0.75度。9.5度は±0度。フェース面はラウンドが弱めだ。まずは純正Rから打って見ると・・・カキーンと心地良い金属音とともにボールがグングン高く上がっていく。ゼクシオ同様、球離れが早く弾き感が強い。ストレートボールを意識してスイングすると軽いフェード弾道。ダウンからインパクトにかけてヘッドがやや返りづらい。インサイドからあおって打っても引っかかる度合いが控えめだ。反面、テークバックでフェースを開いてカット打ちすると、スライス回転が強くかかる。
クラブ特性的には、アスリート向きとアベレージ向けの中間的な印象。スライスを軽減させると言ったお助け要素はないが、普通のアマチュアに使いこなしやすい。持ち球がストレート、もしくはフック系ならば普通のアマチュアにも扱いやすいドライバーだ。
気になったのが重量感。実際の重量よりも軽く感じ、長さを感じずしっかり振り切れる。ダンロップのドライバーはヘッド重量が軽めのモノが多いが、この「Z-TX」もそうなのかも・・・。軽く振ってもヘッドスピードが上がりやすいが、反面、芯で捕らえた時、ややヘッドの軽さを感じてしまい、力強い手応えが手に残らない。
スイートエリアは見た目通り広く、打点がバラついても飛距離ロスが少ない。スピン量は打点位置で結構変わるタイプ。フェース上部で捕らえると2200~2600回転。フェース中央よりも下になると、3000回転を超えてくる。試打している感じでは低重心感がなく、重心位置はやや高めの印象を受けた。純正Rシャフトは切り返し時に大きくしなり、インパクトゾーンでダウンでは心地良い加速感を味わえる。
モトーレスピーダーVc7.0が装着された方は、スペック通りハードな仕上がり。ヘッドスピードを45m/s以上に上げて打つと本領を発揮し、しっかり叩ける。手元が硬いのでダウンでタメを作ってやると、インパクトゾーンではシャフトがビュンと鋭くしなり戻り、気持ち良く振り切れる。タイミング良く振れた時は、シャフトがヘッドスピードを上げてくれ、飛距離を伸ばせた。こちらはヘッドがやさしく、シャフトがハード。パワーヒッターにはこちらを強くお勧めしたい。