PING G15 ドライバー
打ってみると?
試打クラブは10.5度の純正Rシャフト(TFC300D)と、9度のアルディラSerranoのSシャフト。純正Rシャフトは日本向けの軟らかめの設定。ワッグルするとシャフト中間から先端側が大きめにしなる。振動数は237cpm。対して、Serranoは「これってXじゃやないの?」っていうぐらいにハード。振動数は266cpmとそれほどでもないが、シャフトセンター部分がかなり硬く仕上がっている。ワッグルするとシャフト全体が棒みたいである。長さはどちらも45.25インチ(ヒールエンド法計測)、クラブ重量は純正Rが304.5gでバランスがD1.5。SerranoのSが装着されている方は317.1gでバランスD4。60g台のシャフトが装着されていることもあって、ハードヒッターでもクラブの重みを感じながらスイングできる仕上がりだ。ヘッドスペックは、10.5度のリアルロフトは11.5度でフェースアングルは±0度。9度はリアルロフトが10.5度でフェースアングルはマイナス1度というもの。
まずはソフトスペックの10.5度の純正Rシャフトから打って見ると・・・カキーンと心地良い金属音とともに軽いフェード弾道。重心距離はかなり長めなのだろう。ヘッドの返りがゆっくりしているので、左に引っかかる感じが全然しない。球筋は絵に描いたような「高打ち出し、低スピン」弾道。打ち出し角は15~16度と高めで、スピン量は2200~2700回転。キャリーだけでなくランも稼ぎやすい。前作「G10」と比較すると、明らかに低スピン弾道が打ちやすくなっている。
インパクト音も高めで爽快感を味わえる。フェースは弾き感が強く、球離れも早め。球筋を打ち分けることよりも、クラブ任せに真っ直ぐ打ちたくなるドライバーだ。スイートエリアは見た目通り広く、打点がバラついても飛距離ロスが少ない。ヘッドが返りづらいのでフェースを開いてアウトサイド・イン軌道に打つとスピン量が3000回転を越えてくるが、それでも右曲がりの度合いは少ない。そして、インサイドからあおってトウ寄りで打つと・・・インパクトでヘッドがねじれて手に嫌な感触が伝わるが、ボールは思ったほど曲がらない。クラブで左右の曲がりを抑えたい人には、期待を裏切らないドライバーだ。
SerranoのSが装着されている方は、スペック通りかなりハード。ヘッドスピードを45m/s以下だと扱いづらいが、46m/s以上で打つとシャフトがインパクトゾーンで心地良く加速し、力強い弾道で飛距離を稼げる。手元が硬いので切り返しで力むとタイミングが取りづらい「じゃじゃ馬感」があるが、タメをちゃんとキープしてダウンスイングすると、自分のパワーをあますことなくボールに伝えることができる。ヘッドはアベレージ向けだが、このセッティングならばプロ並のパワーがある人にちょうどいい仕上がりだ。