マーク金井の試打インプレッション

テーラーメイド R9 スーパートライ ドライバー

2010/06/29 10:15

打ってみると?

試打クラブはロフト9.5度。シャフトは純正のモトーレ55(フジクラ製)9.5度表示でリアルロフトは11.25度(ノーマルポジション)。フェースアングルは+0.25度。ディープフェースの影響もあって、アドレスするとフェース面がかなり見え、フェースが少し被って見える。アスリート向けにしてはロフトが多いタイプだ。

シャフトはアスリートだけでなくアベレージゴルファーも意識しているようで、Sにしてはやや軽くて軟らかい。ワッグルすると手元から中間部分にかけてしなる。振動数は246cpm。クラブ重量は309.7gでバランスはD1.5。長さは実測で44。75インチ。今年発売モデルの中ではやや短めだ。 ディープフェースな分だけティをいつもより少し高くして打ってみると、ボールは高めに打ち出されフワッと浮いた高弾道。インパクト音は「スパーン」と金属音だが、それほど甲高くはない。

まずはノーマルポジションで弾道計測してみると・・・打ち出し角が高めで、スピンもやや多め。フェース中央付近で捕えると、打ち出し角度が15度前後で、スピン量が2800~3100回転。キャリーが出やすい反面、ランが出づらい弾道になった。重心位置が高い感じがする。続いて、フェース上側で捕えると2300~2600回転。極端にスピン量が減らないので、フェース上側で打つと、キャリーとランで飛距離を稼げる。

つかまり具合については、弾道調整機能を使うとガラッと変わる。ノーマルポジションだと真っ直ぐ打てばストレートから軽いフェード弾道。重心距離は長く、ヘッドの挙動は見た目ほどシャープではなく、ゆっくり返るタイプ。シャフトを脱着して、つかまる「L」ポジションで打つと、フックフェースになってつかまりが格段に良くなる。真っ直ぐ打つ感じでドロー弾道。逆に、つかまらない「R」ポジションで打つと、真っ直ぐ打って強めのフェード弾道。シャフト脱着だけでつかまり具合がガラッと変わるのがハッキリ感じ取れる。

そして、「L」ポジションはリアルロフトが多くなる分だけ弾道が高く、「R」ポジションはリアルロフトが減る分だけ弾道が低くなった。シャフトの脱着でフェースアングルを変えてやると左右の曲がり幅は15~25ヤードぐらい変わりそうだ。ただし、ヘッドは基本的につかまるタイプではない。「R9 スーパートライ」の場合、つかまり過ぎを抑える度合いを微妙に調整しやすい感じがする。

シャフトについては、純正のモトーレ55はしなり戻りがややスロー。切り返しでは手元から中間がグイッとしなり、ダウンからインパクトにかけてはゆっくりしなり戻る。ヘッドを走らせるタイプではなく、切り返しでタイミングを取りやすく、そして叩いても左に行きづらく仕上がっている。ヘッドの基本スペックとしては重心距離が長く、ヘッドのターンがゆっくりしている。弾道を大幅に調整できるドライバーだが、ヘッド、シャフトともスライサーよりもフッカーの方が扱いやすいだろう。

クラブを計測してみると?≫
1 2 3 4 5
テーラーメイド
弾道が自由自在
発売日:2010/03 オープンプライス