マーク金井の試打インプレッション

ヤマハ インプレスX クラシック ドライバー

2010/07/06 10:30

打ってみると?

試打クラブはロフト10.5度。シャフトは純正のオービット「TBX-410D III」。10.5度表示でリアルロフトは13.25度。フェースアングルは+2.5度。フックフェースの度合いが強いことが、リアルロフトを増やしている。フェースの厚みは約52ミリ。シャローフェースで、バックフェース側もシャロー。アドレスするとフェース面がかなり見え、フェースが被って見える。フッカーよりもスライサーが構えやすい顔付きだ。

シャフトも非力なゴルファーを意識しているようで、ワッグルするとかなり軟らかい。中間部分から先端部分がクイッと大きく動く。振動数は226cpm。SRにしてはかなりソフトだ。クラブ重量は275.2gでバランスはC3。長さは実測で46インチ。長尺仕様だが、バランスが常識外れに軽くなっている。

シャフトに合せて、普段よりも軽めにスイングしてみると・・・女性用ドライバーを振った時のような軽い振り心地。スイングするとヘッドの軽さをすごく感じる。インパクト音は心地良い金属音。ボールは高めに打ち出され、強めのドロー弾道。フックフェースに加えて、インパクトゾーンでヘッドが返りやすい。同社の「インプレスXD」シリーズ同様、重心距離の短さを感じる。フッカーにはヘッドが返り過ぎる怖さがあるが、スライサーが使えば右へのミスを確実に減らせるだろう。

そして、クラブのスペックに合せてヘッドスピードを更に下げて打ってみた。35~39m/sぐらいで打つと、切り返しでシャフトは適度にしなり、インパクトゾーンでヘッドが気持ち良く加速する。スピン量も多過ぎず、少な過ぎず、芯で捕えると2600~2800回転と理想的な数値。ヘッドスピードが遅くなるほど、飛びっぷりが良くなった。

ちなみに、クラブのスペックを無視してヘッドスピードを45m/s以上に上げて打つと、ヘッドの軽さ(バランスの軽さ)が裏目に出てくる。インパクトゾーンでコックがほどけるのが遅れるため、ダウンブロー気味に当たりやすく、そしてスピンも増えてしまうのだ。ヘッドが軽いと反発ダウンを招くが、非力なゴルファーにはこの軽さが振りやすさ、ヘッドスピードアップにつながってくる。ヘッドスピードが40m/s以下で、長尺ドライバーで飛ばしたい。長尺で捕まりの良さを求める非力なシニアや、パワーがある女性には飛びをかなり期待できるドライバーだ。

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ヤマハ
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発売日:2010/09 参考価格: 94,500円