ブリヂストン ツアーステージ X-DRIVE GR ドライバー(2010年モデル)
打ってみると?
試打クラブはロフト9.5度。シャフトは純正、グラファイトデザインのツアーAD「B10-03W」のS。シャフト重量は61gでトルク4.3(メーカー値)。9.5度表示でリアルロフトは10.5度。フェースアングルは±0度だが、アドレスするとほんの少しフックフェースに感じる。
シャフトもSにしては軟らかい。手元から中間部分が少し硬めで、中間から先端が大きくしなる。振動数は240cpm。クラブ重量は308.2gでバランスはD1.5。長さはメーカー値が45.5インチで実測も45.5インチ(ヒールエンド計測)
アイアンでウオームアップ後、GRに持ち替えて打ってみると・・・「パスーン」とやや乾いた金属音とともにボールは勢いよく飛び出しネットに当たった。弾道は軽いドロー。見た目通りつかまりが良くて、ドローが打ちやすい。ただしヘッドはシャープに返るタイプではなく、ゆったり返るタイプだ。重心距離の短さではなく、重心アングルの大きさ、そしてアップライトなライ角でつかまりが良いのだろう。その証拠に、インサイドからあおっても引っかかりづらく、チーピンのミスも出づらくなっている。反面、アウトサイド・イン軌道でカット打ちしても、スライスの度合いは控えめ。操作性よりも直進性を重視したタイプだ。
ヘッドスピードを45m/sぐらいで弾道計測するとスピン量は少なめ。芯でつかまえた感触の時で2300~2700回転。打ち出しはそれほど高くない。インパクトゾーンでヘッドがアッパーに動きづらいこともあり、打ち出し角度は12から14度。見た目は吹き上がりそうな感じだが、実際はやや高めの弾道で、キャリーとランを稼げる。
そして印象に残ったのが、インパクトゾーンでのヘッドの走り感。シャフトがやや長尺になのに加え、ヘッド重量がやや軽いため、ヘッドスピードが上がりやすくなっている。ヘッドを軽くすると当たり負けする怖さもあるが、GRは軽くすることで得られる振り抜きやすさにこだわったようだ。また感覚的なものであるが、初速が出る反面、球質がやや軽く感じる。
スイートエリアは見た目通りだが、芯を外して打つと・・・やや当たり負け感が手に伝わってくる。標準装着のツアーAD「B10-03w」中間部分がしっかりしていて弾き感が強いシャフト。ヘッドスピード44m/sぐらいまではしなり戻りのスピードがスピーディ。それよりもヘッドスピードを上げていく、ややしなり戻りがスローになってくる。Sにしては軟らかめの設定だが、トルクが少ないこともあって、ひ弱さは感じない。ヘッドスピードを色々と変えて打ってみたら、42~44m/sで打った時に、シャフトが気持ち良くしなってくれた。 純正シャフトはかなりアベレージゴルファーを意識しているので、打ち手が限られてくるが、ヘッドの特性はつかまりが適度に良くて、低スピン弾道が打ちやすい。パワーに合わせたシャフトを装着すれば、飛びのポテンシャルが高いドライバーに変貌する。