マーク金井の試打インプレッション

ロイヤルコレクション BBD’s ツアー VS ドライバー

2010/09/21 10:00

打ってみると?

試打クラブはロフト10度。シャフトは純正、グラファイトデザイン製ツアーAD、Tour VSのS。10度表示でリアルロフトは11.5度。アスリート向けにしてはややロフトは多めの設定だ。フェースアングルは+0.5度。わずかフックフェースだが、アドレスするとフェース面が被った感じはなくて、スクエアな印象を受ける。

純正シャフトはアスリート向けだって硬めの設定。振動数は259cpm。手元から中間にかけて硬めの中調子。クラブ重量は314.7gでバランスはD。長さはメーカー値、実測値とも44.75インチ(ヒールエンド計測)

アイアンで肩慣らした後、Tour VSで打ってみると・・・「スパーン」と球離れが遅めのインパクト音とともにボールがゆっくり飛び出し、ネットに突き刺さった。操作性にこだわるだけあって、インパクトでボールがくっつく感触が手に伝わる。マッスルバックアイアンを打った時のような心地良い手応え。打感にこだわるゴルファーをかなり意識しているんだろう。

ヘッドスピードを46m/sぐらいに上げて弾道計測すると、打ち出し角度が12~13度とやや低い。リアルロフトが多い割にはボールが高く上がり過ぎない。重心が深くなく、シャフトの影響もあるんだろう。インパクトゾーンでヘッドがアッパーに動きにくいことが、打ち出し角の低さにつながっているのかも知れない。

スピン量はフェース中央で捕えると2800~3000回転とやや多め。フェース上側でヒットするとスピンが減って、2300~2600回転。オートマチックに低スピンを打たせることよりも、打点位置でスピン量をコントロールできる仕上がりだ。

そして気になる操作性をチェックしてみると・・・真っ直ぐ打てばストレート弾道。インから少しあおるとフック。そしてアウトサイド・イン軌道でカットに振れば強めのスライス。見た目よりは重心距離は長そうだが、いわゆる大型ヘッドに比べると、自分が曲げたい分だけ球が曲がる。メーカーの意図通り、オートマチックではなくマニュアル感覚で操れるドライバーだ。それでいて、インから強くあおって打っても引っかかりづらい。

純正シャフトのツアーVSは、中間部分がやや硬めで弾き系。切り返しでは手元が少ししなり、ダウンからインパクトにかけては中間から先端にかけてシャフトが鋭くしなり戻ってくれる。ヘッドがアッパーに動きづらいことを考えると、シャフト先端の剛性は高そうだ。

スイートエリアはヘッド体積なり。ヘッドの性能を引き出すにはミート率が求められるが、ヘッドもシャフトもドロー、フェードの打ち分けが「やさしい」。マッスルバックアイアン同様、球筋を操る楽しみを存分に味わえるドライバーだ。また、打感や顔にこだわりを持つ中・上級者には、「所有欲」を大いにかき立てられるドライバーでもある。

クラブを計測してみると?≫
1 2 3 4 5
ロイヤルコレクション
余分な贅肉を落としたヘッド
発売日:2010/08 オープンプライス