マーク金井の試打インプレッション

ダンロップ スリクソン Z-TX ドライバー(2010年モデル)

2010/11/02 10:00

打ってみると?

試打クラブは10.5度。シャフトは純正の「Miyazaki Kusala」ブルー72のS(シャフト重量67g、トルクは3.3)。リアルロフトは11.75度で、フェース角は±0度。ヘッドをポンと置くとほんの少しフェースが左を向いた感じになるが、ライ角度がややフラットなので(58.75度)、左に行きそうな感じはしない。

硬さの目安となる振動数は265cpm。トルクが3.3度と少ないこともあって、ワッグルしてもしなりは控えめ。手元がしっかりしていて中間部分がわずかにしなる。クラブ重量は316.3gでバランスがD2。長さ実測で45.25インチ。このままでプロ、アスリートゴルファーが使えるスペックだ。

アイアンで入念にウォームアップ後、ヘッドスピード45m/s以上に上げて打ってみると・・・「スパン」と低めの音とともにボールが力強く飛び出す。ボールが潰れる感じが手に伝わり、球離れもやや遅め。マッスルバックを打ったような厚い手応えだ。ボールをしっかりつぶすパワーが求められる反面、ボールをつぶせるパワーがあれば力強くボールを押し出していける。

スピンは多過ぎず、少な過ぎず。フェース中央付近でとらえるとスピン量は2700~3000回転。フェースの少し上側で打つと2200~2600回転となり、キャリーとランで距離を稼げる。低スピン弾道をオートマチックに打たせるタイプではなく、ゴルファーの技量でスピン量を調整できるタイプだ。

その一方で、重量調整ネジの配分を変えることでもスピン量が変えられる。ニュートラルの状態ではネック部分、バックフェース部分とも重量調整ネジが7g。これをネック部分に11g、バックフェース部分に3gに変えるとスピンが100回転ほど減った。わずかではあるが重心が浅くなることで、低スピン弾道が打ちやすくなっている。また、こちらの方が重心が少し浅くなった効果で、打ち出しも少し低くなった。左のミスを嫌うハードヒッターには、この重量配分が大いに好まれそうだ。

「Miyazaki Kusala」のブルーは、振動数よりもしっかり感があるシャフト。切り返しではシャフト中間部分がクイッとしなり、ダウンからインパクトにかけてはシャフト全体がややスローにしなり戻る。シャフトでヘッドスピードを急加速させるタイプではなく、自分のパワーをしっかり出したくなるタイプのシャフトだ。ゆったり振るとシャフトはなにもしてくれない。しっかり叩いた時に、シャフトが気持ちよくしなり、しっかり振り切れる。ただし、トルクが少ないのでミスに対する許容度は大きくない。インサイドからあおってしまうと、トルクの少なさが災いしてヘッドの挙動が不安定なる傾向があった。

ヘッドはややリアルロフトが多めだが、460CCにしては挙動がコントロールしやすく、スイングなりにボールが飛んでくれる。シャフトの追従性が良いのでドロー、フェードも打ち分けやすい。

ゆっくり振るよりも叩いた方がクラブのポテンシャルが上がること、シャフトもパワーを要求するタイプなのことを考えると、「ニューZ-TX」は正真正銘、プロ、アスリート御用達ドライバー。ヘッドスピードが45m/s以上のハードヒッターが安心して使えるドライバーだ。

クラブを計測してみると?≫
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ダンロップ
強い弾道で攻める、思い通りの球が打てる
発売日:2010/11/13 オープンプライス