マーク金井の試打インプレッション

キャロウェイゴルフ DIABLO Octane ドライバー

2010/12/07 10:00

打ってみると?

試打クラブは9.5度のS。シャフトは純正の「オクテイン 55W」リアルロフトは10度で、フェースの向きは+1.25度。ヘッドが大型なのでシャローフェースに見えるが、実際は約55ミリ。それほど薄べったくはない。フェースは面長なので、重心距離はかなり長そうだ。

シャフトはワッグルすると中間部分がクイッとしなる。振動数は242cpm。アベレージ向けだけあって、Sにしてはかなり軟らかめの設定だ。長さはヒールエンド計測で、45.25インチ(メーカー公称値は45.5インチ)。クラブ重量は303.3グラムでバランスはD2.5。重心距離が長いせいもあって、数値よりもヘッドが効いた感じに仕上がっている。

シャフトの硬さに合わせて軽めにスイングしてみると・・・パシューンと金属音とともにボールが高く舞い上がる。ストレートボールを意識してスイングするとフェード弾道。フックフェースだが捕まる感じが希薄だ。重心距離の長さ、重心アングルが小さいことが影響しているのだろう。ダウンからインパクトにかけてヘッドが返る感じが、ほとんど手に伝わってこない。フックフェースになっているが、典型的な左に行きにくいドライバーだ。それを確認するために、わざとアウトサイド・イン軌道でカットに打つと、強いスライス。インからあおって打つと、思ったよりもボールが引っかからない。チーピンを打とうと思ってあおり打ちしても、チーピンのミスが出にくくなっている。

キャロウェイのFTツアーが2シーターのマニュアルスポーツカーだとすれば、このディアブロオクテインはトレーラーのような感じ。自分の意志でヘッドを操作しようとするとウンともスンとも言わないが、反面、ヘッドの挙動が安定しているので球を曲げづらい(球が曲がりづらい)。スイートエリアも見た目通り大きく、打点がバラついてもヘッドがブレにくかった。

そして印象に残ったのがスピン量。見た目よりも重心が低いこともあり、放物線弾道が打ちやすく、キャリーとランで飛距離を稼げる。いい感じ捕らえると、スピン量は2200~2700回転と理想的だ。

純正シャフトの「ディアブロオクテイン 55W」は、振動数通りSにしては軟らかめ。切り返しでは、シャフトの中間部分がグニャりとしなり、ダウンからインパクトにかけてゆっくりしなり戻る。粘り系の中調子シャフトで、ヘッドを急加速させることよりも、タイミングが取りやすい。

フックフェースだが、実際に振ると捕まるタイプではない。典型的に左へのミスが出づらい(捕まりづらい)ドライバーだ。スライサーよりもフッカーの方が弾道をコントロールしやすく仕上がっており、引っかけ、チーピン等のミスを減らしたいゴルファーには、ミスを減らせるだけでなく、飛距離アップも狙えるドライバーだ。

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キャロウェイ
性能、コストパフォーマンス、申し分なし
発売日:2010/12 オープンプライス