タイトリスト 910D3ドライバー
打ってみると?
試打クラブは9.5度のS。シャフトは純正の「タイトリスト モトーレ5.5」リアルロフトはノーマルポジション(A-1)で10度。フェースの向きは-2.5度。D2に比べるとオープンフェースの度合いが強めだ。フェースはやや面長で、重心距離が長く見える顔付きをしている。
シャフトはワッグルすると中間部分がグイッとやや大きめにしなる。振動数は252cpm。アスリート向けのドライバーにしてはやや軟らかめの設定だ。長さはヒールエンド計測で、45インチ(メーカー公称値は45.25インチ)。クラブ重量は309.5グラムでバランスはD2.5となっている。
アイアンでしっかりウォームアップして、D3に持ち替えて打ってみると・・・スパーンと軟らかい打感。ストレートボールを意識してスイングすると、明らかなフェード弾道。リアルロフト通り、ボールは上がり過ぎない。オープンフェースと重心距離の長さが影響しているのだろう。ダウンからインパクトにかけては、ヘッドがゆったり返る。捕まりよりも、捕まり過ぎを抑えたい意図を感じる。
その証拠にフックフェースに調整して打ってみても、ボールが捕まり過ぎない。ノーマルポジションよりは捕まりが良くなるが、それでもドローが打てるほどではない。フェードの度合いが弱くなって、ストレート気味の弾道が打てる。
ちなみに、捕まりを抑える設定にすると、フェースの向きは-3度。こちらも見た目通り、ノーマルポジションよりもさらに右に飛びやすくなった。このポジションだとインからあおっても引っかからない。調整すると見た目通りに球筋が変わるが、スライサーよりもフッカーの方が弾道調整機能の恩恵を強く受けられそうだ。
そして印象に残ったのがスピン量。重心位置が低く吹き上がりづらい。D2に比べると、D3の方が低スピン弾道で飛距離を稼ぐことができる。フェース中央付近で捕えると、スピン量は2600~2800回転。少しフェースの上側で捕らえると、2200~2400回転となり、キャリーとランで飛距離を稼げる。 純正シャフトの「タイトリスト モトーレ5.5」は切り返しでは、シャフトの中間部分がグイッと大きめにしなり、ダウンからインパクトにかけてゆっくりしなり戻る。中間部分が軟らかい、典型的な中調子の粘り系。ヘッドを走らせることよりも、タイミングが取りやすいタイプだ。
ヘッドがやや大ぶりなD2に比べると、D3の方が低スピン弾道が打ちやすい。そして、D3の方が明らかに左へのミスが出づらい。弾道調整機能は付いているが、基本的なヘッド挙動、フェースアングルを考えると、スライサーに扱いづらく、フッカーと相性が非常に良いドライバーだ。