テーラーメイド グローレ ドライバー
打ってみると?
試打クラブはロフト9.5度。シャフトは純正のGL450(フジクラ製)。ノーマルポジションに設定してアドレスしてみると‥‥フェースがやや左を向く。弾道調整機能が付いているが、ノーマルポジションではフックフェース。個体差があるとは思われるが、フッカーよりもスライサーが構えやすい顔付きをしている。
シャフトはアベレージ&シニアゴルファーを意識しているのだろう。Sにしては軽くて軟らかい。ワッグルすると中間から先端部分が大きくしなる。シャフトの硬さに合せて軽めにスイングして打ってみると‥‥スパーンと心地良い音とともに軽いドロー弾道。ゆったり振ると見た目通り捕まった球が打ちやすい、重心距離は長めだが、ダウンからインパクトにかけてヘッドがスムーズにターンしてくれる。重心距離が長いヘッドにありがちな、右へのスッポ抜けも出にくい。フッカーよりもスライサーを意識していることが窺い知れる。
軽めに振ってもボール初速がちゃんと出る。長尺効果でヘッドスピードが上がり、それに伴ってボール初速も上がっている。ただし、ヘッドが軽めなんだろう。ヘッドスピードを45m/s以上に上げると、やや球質が軽くなった。コンピュータで弾道計測してみると、フェースセンターで捕えるとスピン量が2700~3000回転。フェース上側で捕えるとスピンが減って2200~2600回転となった。このスピン量を考えると、パワーヒッターよりもアベレージゴルファーの方が飛距離を出しやすいドライバーだ。
ヘッドの操作性はあまり高くなく、ドロー、フェードの打ち分けは難しい。球筋を操るよりもオートマチックにストレートからドローを打ちたくなるドライバーである。ヘッドスピードを46m/sぐらいに上げて弾道計測してみると、イメージよりもヘッドが走る。軽めのヘッドと長尺効果でヘッドスピードが上がりやすいのもグローレの特長である、純正シャフト(GL450)のSは、切り返しで中間部分が大きめにしなり、ダウンからインパクトにかけては、しなった分だけしなり戻る。ゆったり振ると、インパクトゾーンで心地良い加速感を味わえるシャフトだ。
弾道調整機能で捕まる仕様にするとフックフェースの度合いが減るが、ヘッドの基本的な挙動は「捕まり」意識している。グローレはフッカーよりもスライサーと相性が良い。自分のパワーでヘッドスピードを上げられる人には物足りなさもあるが、体力低下でヘッドスピードが落ちてきた団塊世代には、クラブでヘッドスピードが上がり、クラブで飛距離アップを狙えるドライバーだ。