マグレガー レッドターニー
打ってみると?
試打クラブはロフト10.5度。構えてみるとわずかにフックフェース。シャフトは純正の「RT-201DM」。フレックスはS。ワッグルしてみると手元側に適度なしっかり感がある。硬さの目安となる振動数は251cpm。数値的には純正Sとしては平均的だ。
アイアンでウオームアップしてから打ってみると‥‥「シュパーン」という金属音とともにボールが打ち出された。ルール適合であるが、フェースの弾き感が強い。ボール初速もいつもより出ている。弾道はほぼストレート。フックフェースだが、見た目ほど捕まらない。フェースが面長なこともあって重心距離が40ミリ以上ありそうだ。ヘッドの返りやすよりも(捕まりよりも)、左へのミスが出づらいタイプだ。ドローを打つつもりでインサイドからヘッドを入れると、軽いドローが出るが、アウトサイド・インの軌道でカット打ちすると強めのスライスが出た。フックフェース気味だが、スライサーへのお助け度はかなり少ない。そして重心が浅めなので、パワーがあれば球筋も打ち分けやすく仕上がっている。
ヘッドスピード46m/sで弾道計測すると、スピン量は2400~2800回転。リアルロフトが多くないので、打ち出し角はやや低めで11~13度。スピン量は2200~2600回転と低スピン。見た目よりも低重心なんだろう。中ぐらいの弾道で、キャリーとランで飛距離を稼げる。試打して印象に残ったのが、シャフトの挙動。トップからダウンの切り返しではヘッドが遅れるようにしなり、ダウン後半からインパクトにかけてはシャフトがムチのように鋭くしなり戻る。メーカーの意図通り、粘りと弾きを味わえるシャフトだ。しなり戻りのタイミングが合えば、エネルギーを効率良くボールに伝えることができる。
洋梨形状はスライサーよりもフッカーの方が相性が良いと言われているが、レッドターニーもこの常識をちゃんと受け継いでいる。左のミスに悩むフッカーにはフェアウェイキープ率が上がるだけでなく、低スピン弾道でキャリーとランで飛距離を稼げるドライバーだ。