タイトリスト VG3ドライバー(2012年モデル)
打ってみると?(弾道は)
試打クラブはロフト10.5度。シャフトは純正のVG60のS(三菱レイヨン製)。シャフトはアベレージゴルファーよりもアスリートゴルファーを意識しているのだろう。純正Sにしてはハードだ。ワッグルすると手元が硬めで中間部分がしなる。振動数は260cpm。クラブ重量は297.8gでバランスはD0.5。長さは実測で45.25インチ(メーカー値45.5インチ)。長さのわりにバランスが出ていないのはヘッドがやや軽めなのだろう。
アイアンでウオームアップしてからVG3を打ってみると‥‥「スパーン」と中金属音とともにボールが飛んでいく。球離れは早くない。一瞬、ボールがフェースに吸い付き、それから力強く飛び出す。鍛造ヘッドにカップフェースの組合せの妙で、打感と音が非常に心地良い。
そして、印象に残ったのが捕まり。スクエアからややオープンフェースだが、実際に打つとドローが打ちやすい。ダウンからインパクトにかけてヘッドが返りやすいのだ。重心距離はそう短くないのに、シャフトを軸にしてヘッドがターンしやすい。重心が深く、重心アングルが大きそうだ。左のミスを嫌う人には捕まり過ぎる怖さがある反面、球の捕まりを求める人には、非常に扱いやすい。前作よりも捕まり具合はアップしている。
弾道計測してみると、打ち出し角度は13度前後。スピン量は2500?2700回転。伸びのある中弾道でキャリーとランで飛距離を稼げた。ストレート弾道を打つ感じでスイングするとドロー弾道。フェードよりもドローが打ちやすい。重心はそれほど低くなくて、フェース上側で捕えた方がスピンは減って飛ぶ弾道が打ちやすい。
シャフトは中間部分がしなる粘り系。タイミングが取りやすい。トルクが少ないので追従性が高く、振り遅れづらい。インからあおると捕まり過ぎる怖さもあるが、アウトサイドインの軌道で振った時にはフェースが開きづらい分だけ、右へのミスが出づらく仕上がっている。
今回のモデルチェンジでVG3は捕まりがさらにアップしている。そして、前作同様、打感の良さは秀逸。捕まりの良さだけでなく、フィーリングの良さを求めるゴルファーには、期待に応えてくれるドライバーだ。