マーク金井の試打インプレッション

三菱レイヨン FUBUKI ATシリーズ

2015/01/06 09:00

シャフトの挙動

シャフト試打で使うヘッドはテーラーメイドの初代グローレ。体積はルール最大級の460CC。シャフトが脱着出来るタイプなので、同じヘッドでシャフトを打ち比べられる極めて便利なドライバーである。ヘッドが軽めなので、46.5インチで組み上げた。

ワッグルすると手元側が大きめにしなり、中間部分は硬めだ。これまでのFUBUKIシリーズ同様、切り返しで手元が大きめにしなるタイプであることが手に伝わってくる。

実際に打ってみても、切り返しでシャフトの手元側がクイッと大きめにしなる。そして、ダウン後半からインパクトにかけてはシャフト全体がしなり戻る。手元調子であるが、これまでのFUBUKIシリーズに比べるとシャフトのしなり戻るスピードが遅い。本来は弾き系シャフトなのだが、ダウンからインパクトにかけては粘りを感じるシャフトである。

そして印象に残ったのがシャフトの挙動。しなり戻りがややスローなこともあって、インパクトゾーンでヘッド挙動が安定している。ヘッドの挙動が多少乱れても、それをシャフトが補正してくれる。自動車に例えるならば、操作性の高いマニュアルではなく、オートマチック車に乗っているかのような挙動安定感がある。スイングが不安定でも弾道、飛距離が安定している。1発の飛びよりも、ミスした時に飛距離ロスを抑えてくれるタイプのシャフトである。

打ち出しはやや高めで、スピンがやや少なめ。しなり戻りが速くないのでインサイドからあおってもチーピンや左のミスが出づらい。シャフトの挙動が安定しているので、ヘッドを選ばないシャフトでもある。

シャフトのしなりを感じてスイングしたいゴルファー、リシャフトしてドライバーの弾道を安定させたいゴルファー、ここ一番で大きなミスが出るのを避けたいゴルファーにとっては、頼りになるシャフトだ。

【適正ヘッドスピード】
FUBUKI AT60(S):43~48m/s

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三菱ケミカル
発売日:2014/09 オープンプライス