プロギア iD nabla RED ドライバー(2015年)
打ってみると?(弾道は)
試打クラブはロフト角10.5度。シャフトは純正のM40(※フレックスSR相当)。10.5度表示でリアルロフト角が11.25度。フェース角は+0.25度。フェースの向きはスクエア感が強く、上級者好みである。
シャフトはシニア向けだけあってかなり軟らかい。ワッグルすると中間から先端が大きくしなる。振動数は227cpm。クラブ重量は272.6gでバランスはD9.5。長さは実測で46.5インチ(※60度法計測)。
シャフトに合せてヘッドスピードを40m/sぐらいに下げて打ってみると・・・「スパーン」と乾いた金属音とともに、高めの弾道で飛び出した。真っ直ぐ打つ感じでストレートから軽いドロー弾道。前作同様、ヘッドの挙動はニュートラルだが、捕まりも適度に良い。スライサーがドローを打てるほどではないが、ヘッドがスムーズにターンする。インサイドからヘッドを入れると高めのドロー弾道で、キャリーをしっかり稼げた。
特筆すべきは振り抜きやすさ。ヘッドがやや軽めなのに加えて、グリップが太いのが影響しているのだろう。軽く振ってもインパクトゾーンでヘッドが鋭く加速する。ルール適合だがフェースの弾きも鋭く、ボール初速が出ている。長尺効果でヘッドスピードが上がるだけでなく、ヘッドでボール初速を上げることができ、スピン量も適量。キャリーが出やすいだけでなく、ランも稼げる。
シャフトは振動数が示すように、かなり軟らかい。トップからダウンの切り返しではムチのようにしなり、インパクトゾーンではムチのように鋭くしなり戻る。素早く振るよりも、ゆったり切り返すとタイミングが取りやすく、ヘッドの加速感も味わえる。ヘッドスピードを43m/s以上に上げてしまうと、インパクトでシャフトが戻り切らないが、対象ユーザーを考えるとこれはあまり気にする必要はないだろう。
前作に比べると8gほど軽量化がなされ、軽くなった分だけ非力な人でもヘッドスピードが上がりやすく、しっかり振り切れる。シニアゴルファー向けながらも、ヘッドはスクエアフェースでプロ、上級者好みに仕上がっている。道具にもこだわる60歳以上のシニアゴルファーにとって満足度が非常に高いドライバーだ。