三菱レイヨン KUROKAGE XT
シャフトの挙動
シャフト試打で使うヘッドはテーラーメイド R15 460 ドライバー。体積はルール最大級の460CC。シャフトが脱着出来るタイプなので、同じヘッドでシャフトを打ち比べられる極めて便利なドライバーである。長尺向けのシャフトではないので、今回は45.5インチの長さで組み上げた。
ワッグルすると、手元側のしなりを感じるが、しなり幅はそれほど大きくない。中間部分と先端側のしなりは控えめだ。FUBUKIシリーズに比べると手元剛性が少し高いのが、手に伝わってくる。
実際に打ってみてもシャフト全体の剛性感が非常に高く、切り返しで手元側がクッと小さくしなるだけ。スイング後半からインパクトにかけても小さくしなった分だけしなり戻る。手元調子ではあるが、FUBUKIシリーズに比べるとシャフトのしなり幅(たわみ幅)が小さい。弾き系シャフトなのでダウンからインパクトにかけてのバネ性は高いが、挙動は大きくない。シャフトのしなりでヘッドを急激に加速させることよりも、しっかり叩きたくなる(しっかり叩ける)タイプだ。
加えて、印象に残ったのがインパクトゾーンでのシャフトの挙動。しなり幅が少ないこともあって、ヘッドの入射角が実に安定している。ヘッドがアッパーに動く度合いも控えめ。やや低めの打ち出し角で、スピンが少ない弾道が打ちやすい。叩いても吹き上がりづらく、風に強い弾道がオートマチックに打てるシャフトだ。
先端側がしっかりしているので、基本的には捕まるタイプのシャフトではない。左へのミスが出づらいが、インサイドからあおってしまうとチーピンや引っかけが出る。シャフトの挙動がシャープなので、シャフトに余計な負荷をかけると、良くも悪くもシャフトが鋭く反応してしまう。
しっかり叩けるシャフトが求めるハードヒッター。叩いても吹き上がらない強弾道が打てるシャフトを求めるアスリートゴルファーにとっては、かなり満足度が高いシャフトだ。
【適正ヘッドスピード】
KUROKAGE XT60(S):44~48m/s