ピン G30 LS TEC ドライバー
打ってみると?(弾道は)
試打クラブは9度の純正Sシャフト(TFC390)。ワッグルすると手元から中間部分が硬く、しなりは控えめだ。硬さの目安となる振動数は280cpm。純正シャフトのSとしては非常に硬い。長さは45.75インチ(60度法計測)、クラブ重量は312.6g。手元側が重い(手元重心)シャフトも影響しているのだろう。ヘッドが重いにも関わらずバランスはD0.5。G30 ドライバー同様、シャフトが手元重心のカウンターバランス効果で、ヘッドが重く感じないようにチューニングされている。
ノーマルポジションだと9度表示でリアルロフト角は9度。フェース角は-3.25度。G30 ドライバー同様、フッカーが好む顔つきだ。
まずはヘッドスピード43m/sぐらいで打ってみた。スパーンと高めの金属音とともにボールはやや右に飛び出した。弾道はストレートから軽いプッシュアウト弾道。G30 ドライバーよりも、G30 LS TEC ドライバーの方が少し捕まらない。気になる弾道はというと、G30 ドライバーよりも低スピン弾道。見た目よりもスピンが入りづらく、メーカーの意図通りG30 ドライバーよりも低スピン弾道がオートマチックに打てる。
ヘッドスピードを46m/sぐらいに上げて弾道計測すると、打ち出し角は11度前後で、スピン量は2100~2600回転。キャリーとランで飛距離を稼げる。フェース上側で打ったら、スピン量は2000回転を下回り、ラフからフライヤーを打ったような弾道になった。タービュレーターの効果については、直接肌で感じ取ることはできないが、フェースの弾き感は心地良く手に伝わる。
弾道的には、G30 ドライバー同様、オートマチックに直進性の強い弾道が打てるタイプ。スイートエリアは見た目通り広く、ミスヒットした時でも左右の曲がりは控えめだ。ただし、重心距離が長く捕まりづらいので、テークバックやトップでフェースを開いてしまうと、ボールは全然捕まらない。シャットフェースに上げてインからあおって打った方が方向性は良く、飛距離も出る。弾道調整機能は付いてはいるものの、基本的にはスライサーがドローを打てるドライバーではない。
純正のSシャフトは振動数が示す通り、かなりハードで手強い。切り返した時に手元側が硬いので、しっかり感を求める人とは相性がいいが、ゆったり切り返そうとするとタイミングが取りづらい。このシャフトを使いこなすには、それなりのパワーが必要で、かつ、ダウンでタメをキープする技術も求められる。
基本性能は概ねG30 ドライバーと同じだが、G30 LS TEC ドライバーはメーカーの意図通り低スピン弾道が打ちやすくなっている。ドライバーのスピン量が多めのゴルファーが使えば、さらなる飛距離アップを狙えるドライバーである。