マーク金井の試打インプレッション

マルマン マジェスティ ロイヤル ブラック ドライバー

2015/05/19 09:00

打ってみると?(弾道は)

試打クラブは、ロフト角9.5度のヘッドと純正(MAJESTY LV510)のSシャフトの組み合わせ。長さは46.75インチでクラブ重量が296.2g。ワッグルしたときには、ヘッドの重さが手に伝わる。クラブ重量こそ軽めだが、ヘッドに対する軽さはまったく感じない。シャフトは手元側が硬めで、中間から先がしなる。硬さの目安となる振動数は252cpm。シニア、アベレージ向けのSシャフトとしてはやや硬めだ。バランスはD2.5(60度法計測値)。長尺仕様なので、バランスがやや多めに出ている。アドレスすると、フェース向きはわずかにオープンでリアルロフト角は小さい。

シャフトの硬さに合わせるため、最初からしっかり振り込んでみる。すると「スパーン」と乾いたインパクト音とともに、ライナー弾道を描く。見た目通り、ボールはやや低く打ち出され、スピンが少ないこともあり吹き上がらない。シニア向けのブランドとは思えないような、力強い弾道が打てる。

そして打てば打つほど、不思議な感覚が手に、体に、と伝わる。軽いはずなのに、打つと軽さをまったく感じないからだ。実重量よりもヘッドが重く感じられ、しっかり叩ける。おそらく、一般的なクラブと比べて、重量バランスを意図的に変えているのだろう。

つかまりはニュートラルなので、まっすぐに打てばストレートに、インサイドからヘッドを入れれば軽いドロー弾道になった。長尺とはいえ振り遅れにくく仕上げているので、コントロールされたドローが打ちやすい。

さらにヘッドスピードを46m/sくらいまで上げ、弾道計測してみる。すると打ち出し角は12度前後で、スピン量は2300~2800回転。リアルロフト角が小さいこともあって低スピン弾道が打ちやすく、ランも出やすい。シニア向けと思いきや、強く叩いても吹き上がりづらく、ライナー性の強弾道が打てるドライバーである。

純正のSシャフトは、振動数の通り、しっかり感がある。手元が硬めで、中間から先端にかけてなめらかにしなるのが特徴。トルクが少ないからだろう。ヘッドスピードを下げても上げても、振り遅れない。ただしシャフトに遊びが少ないので、ダウンスイングで不安定な軌道になると、それがシャフトに伝わり芯で捕えづらくなるので注意が必要だ。

シニア御用達のイメージが強いマジェスティだが、『マジェスティ ロイヤル ブラック ドライバー』はシニアだけでなく、ハードヒッターにも対応している。実に、不思議なクラブだ。軽く打ってボールが楽に上がるドライバーでは物足りない。シニアでも「強いライナーで飛ばしたい」というゴルファー向けのドライバーである。

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