マルマン VANQUISH by MAJESTY ドライバー
打ってみると?(弾道は)
試打クラブは、ロフト角9.5度のヘッドと純正シャフト(HV310)のSフレックスの組み合わせ。シャフトの長さは45.5インチ(※60度法計測値)。ワッグルすると、手元側がしっかりしているのが手に伝わる。硬さの目安となる振動数は253cpm。シニア、アベレージゴルファー向けのSフレックスとしてはやや硬めだ。クラブ重量は303gと、適度な重さ。バランスはD3で、ヘッドが効いている。アドレスすると、フェース向きはほんの少しフックで、リアルロフト角は小さめである。
シャフトの硬さに合わせるため、最初からしっかり振り込んでみる。すると「スパン」と乾いたインパクト音とともに、やや低めにボールは飛び出した。見た目通り、高弾道ではなくてライナー弾道が打ちやすい。このクラブのターゲットはシニア層ではなく、50歳代の熟練ゴルファーだというが、彼らが好むような力強い弾道が1発目から飛び出した。
さらにヘッドスピードを46m/sくらいまで上げると、さらに弾道が強くなった。インパクトでヘッドがしっかりとボールを捕らえた、ライナー弾道。重心位置が低いこともあり、スピンが少ない弾道がオートマチックに打てる。やさしさより、弾道の力強さにこだわりを強く感じられる。
ヘッド挙動はニュートラルで、インサイドからヘッドを入れればドロー弾道、アウトサイドからややカットさせてヘッドを入れるとフェード弾道に。大型ヘッドにありがちな重心距離の長さを感じないので、弾道のコントロール性もかなり高い。
弾道計測してみると、打ち出し角は11~12度でやや低く、スピン量は2200~2800回転。リアルロフト角が小さいこともあり、打ち出しが低めで、ランも出やすい。このVANQUISH by MAJESTY ドライバーはかなりアスリートライクで、ライナー性の強弾道が打ちやすい。
純正シャフト(HV310)のSフレックスは、振動数の通り、しっかり感がある。手元側が硬めで、中間部分から先端部分にかけてスムーズにしなるのが特徴。トルクが少ないので、シャフトの追従性が高く、球筋を打ち分けやすい。ただし、シャフトに遊びが少ないので、ダウンスイングで軌道が不安定になると、シャフトにダイレクトに伝わってヘッドの挙動まで不安定になってしまう。
シニア向けのイメージが強いマジェスティシリーズだが、「VANQUISH by MAJESTY」は、シニアよりやや若い、そこそこパワーのある50歳代の熟練ゴルファーを意識して設計されている。シニアでも「骨太なクラブを使いたい」「強いライナー弾道で飛ばしたい」というゴルファーに、非常に満足度が高いドライバーである。