マーク金井の試打インプレッション

ナイキ ヴェイパー フライ ドライバー

2016/02/16 09:00

打ってみると?(弾道は)

ヴェイパー フライ ドライバーは可変ロフト角なので、ヘッドは1種類。ロフト角10.5度のポジションで、リアルロフト角は11.25度。フェース角は-1.25度。個体差はあるが、前作ヴェイパー スピード ドライバーと比べてスタンダートポジションではフェースがやや右を向くようになる。
ヘッドに装着するのは、純正シャフト(ヴェイパー グラファイト+)のSフレックス。ワッグルすると、中間部分から先端部分にしなりを感じる。硬さの目安となる振動数は261cpm。純正シャフトのSフレックスとしては、硬めの仕上がりだ。長さは45.5インチ(60度法計測値)。クラブ重量は314.6gで、バランスはD1.5となっている。

まずは、シャフトの硬さに合わせて、軽く打ってみる。すると、「シュパーン」と乾いた金属音とともにボールは高く飛び出した。球筋はまっすぐ打てば、軽いドロー弾道。前作よりも、バランスは確実に良くなっている。ヘッド挙動の安定感が増し、オートマチックに直進性がある弾道を打てるドライバーである。

印象に残ったのが、前作よりも広がったスイートエリアの大きさだ。打点がフェースの下側でも飛距離が落ちづらく、球筋も安定している。フェースの左右だけでなく、上下のミスに対しても強さ、寛容性が感じられる。そして、フェースの弾き感も心地良い。

ヘッドスピードを46m/s前後まで上げて弾道を計測する。フェース中央付近で捕らえたとき、打ち出し角が14~15度。スピン量は2500~2900回転。フェースの上側で捕らえるとスピン量は2100~2400回転まで抑えられ、低スピン弾道で飛距離を稼げた。スピン量をできるだけ減らして飛ばすより、安定したキャリーで飛距離を稼きやすくチューニングされている。

純正シャフト(ヴェイパー グラファイト+)は、切り返しで中間部分がクイッと小さくしなり、インパクトゾーンでは先端側がシャープにしなり戻る。剛性感が高く、シャフトでも弾き感をアップさせようとする意図がうかがえる。重さも60gと適度にあるので、体を使ってしっかりスイングできる。

ヘッド挙動はニュートラルで、高弾道がやさしく打てる。モデルチェンジによってフェースの弾き感もアップするなど、クラブ全体がバランス良く仕上がった印象が強い。ドライバーにやさしさを求めるゴルファーの期待に応えてくれるだろう。

クラブを計測してみると?≫
1 2 3 4 5