ヤマハ RMX フェアウェイウッド(2016年)
打ってみると?(弾道は)
試打クラブは3Wでロフト角は15度。シャフトは標準装着される、Speeder Evolution II FW60のS。アドレスするとフェースはほんの少しだけ右を向く、オープンフェース。利き目が右目だとスクエアフェースに見える感じだ。
シャフトはワッグルすると手元剛性が高く、中間部分から先端にかけてしなる。振動数は272cpm。アフターマーケット用のSとしては平均的な硬さだ。クラブの長さは43.25インチでバランスはD2。クラブ重量は329.6gと適度な重量感がある(※実測値)。
アイアンでウォームアップ後、RMXの3Wに持ち替えてスイングしてみると・・・「カキーン」と強い弾き音。高反発クラブを打ったかのような錯覚に陥るほどの手応えが手に伝わる。シャローフェースにも関わらず、フェースの弾き感がすこぶるいい。打てば打つほど、フェースの弾きの強さを体感できる。
ストレートボールを意識してスイングすると、イメージ通りのストレート弾道。3Wを打っているはずなのに、ドライバーを打ったかのような飛ぶ弾道がオートマチックに打てる。フェアウェイウッドとしてはヘッドが大ぶりになっているが、重心距離はさほど長くないのだろう。捕まりも適度にいい。
そして印象に残ったのがヘッドの抜け具合。ソール後方が少し凹んでいることで、インパクトゾーンでソールが接地する面積が少なく、スパッと抜けていく。好みは分かれそうだが、ダフりミスを軽減することよりも、抜けの良さに特化しているフェアウェイウッドである。
ヘッドスピードを44m/sぐらいで弾道計測すると、中弾道で低スピン弾道。芯で捕らえると、スピン量は3,000~3,500回転。フェアウェイウッドとしてはスピン量が少なく、ドライバーのような弾道で飛んでいく。ヘッドスピードが遅いとキャリーが出づらくなる怖さもあるが、ドライバーのような弾道が打ちやすくチューニングされている。地面の上からだけでなく、低めのティアップで打ったら、スピン量は2,500回転ぐらいまで減った。
標準装着されるSpeeder Evolution II FW60(フジクラ製)は、切り返しで中間部分が少ししなる。ダウンスイングからインパクトにかけてはシャフトの挙動が安定しており、ヘッドの入射角がブレにくい。地面の上のボールを打つのに適したシャフトだ。ドライバーのようなフェースの強い弾き感があり、ドライバーのように低スピン弾道が打てる。ヘッドスピードが遅いとボールが上がりづらい感じがするが、メーカーの意図通り、飛ぶ弾道が打てる要素がきっちり入っている。
グリーンに止めることより、1ヤードでも遠くに飛ばしたい。フェアウェイウッドで飛距離アップを狙っているゴルファーには、大いに期待に応えてくれるのがRMXだ。