マーク金井の試打インプレッション

シンカグラファイト LOOP プロトタイプ FW six

2016/07/05 09:00

シャフトの挙動

シャフト試打で使うヘッドはテーラーメイド M1の3W。ロフトは表示15度で、リアルロフトは14度前後。ワッグルすると手元側と先端側が硬く、中間部分が控えめにクイっとしなる。硬さはSだが、FWに装着される純正シャフトのSと比べるとかなり硬めだ。

アイアンでウォームアップして打ってみた。1発目からしっかり振ったが、切り返しでは中間部分がグイっとしなり、ダウンスイング後半からインパクトにかけては中間から先端側はバネ性が強く、重さを伴いながら鋭くしなり戻る。シャフトのしなり幅(たわみ幅)は小さいが、しなり戻りのエネルギーが非常に大きく、インパクトの手応えが分厚い。ヘッドだけでなくクラブ全体でボールを捕らえる感覚が手に伝わり、ボールを力強く押し出せる。

シャフトの特性としては粘り系なのだが、しなり戻る時のエネルギーが大きいので弾き感が味わえる。メーカー側がアピールする「違和感」とは、この重量感を伴った力強い弾き感のことなのだろう。

高速度カメラで検証してみると、インパクトゾーンでのシャフトの先端側の動きが少ない。ヘッドがアッパーに動く感じがほとんどないので、入射角が安定している。FWで地面から打つ時、ミート率が良くなるようにシャフトが動いてくれる。

ヘッドスピードを少し落として打つと、切り返しでシャフトのしなりが感じづらくなる。Sシャフトに関しては、ドライバーのヘッドスピードが44m/s以上ないと、このシャフトの良さを引き出せないだろう。逆に、ヘッドスピードを上げていくほどにシャフトのバネ性が強くなり、ヘッドとシャフトの両方でボールを力強く押し出せ、飛距離をしっかり出していけた。

捕まりに関してはニュートラル。インサイドからヘッドを入れればドロー、アウトサイドからややカットに打てればフェードが打てる。曲がりの幅はそれほど大きくなく、曲げやすさよりも、直進性が高い弾道が打ちやすく仕上がっている。

軽くスイングする人、ヘッドスピードが遅い人にはかなり手強いシャフトであるが、自分である程度ヘッドスピードを出せる人、切り返しでシャフトを上手くしならせることができる中上級者には、シャフトの強いバネ性を生かして、分厚いインパクトからボールを遠くに飛ばしていける。FWのシャフトにも飛距離性能を求める人には、大いに期待に応えてくれるシャフトである。

【適正ヘッドスピード】
LOOP プロトタイプ FW six(S):44~48m/s

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シンカグラファイト
“拾い・運ぶ”性能を受け継ぎ、より強く、より遠くを可能にしたFW第二弾
発売日:2016/02 参考価格: 45,360円