プロギア RS ドライバー F
打ってみると?(弾道は)
試打クラブはロフト角10.5度。ノーマルポジションだとリアルロフト角が11度でフェース角が-2.75度。表示よりもほんの少しだけリアルロフト角が多めで、オープンフェースの度合いは強め。ライ角がフラットなことも相まって、アドレスすると左に飛びづらい顔つきをしている。
シャフトは純正のオリジナルカーボンのM43。硬さはS相当で、振動数は244cpm。アスリート向けのSにしてはやや軟らかめの設定だ。ワッグルすると手元から中間部分のしなりを感じる。長さは実測45.5インチでバランスはD2(60度法計測)。クラブ重量は306.7gとなっている。
まずはシャフトの硬さに合わせ、やや軽めに打ってみると、、、「スパーン」と乾いた金属音とともに、ボールは高弾道で鋭く飛び出した。クラウン前方のたわみ量が大きいからだろう。見た目(ロフト)よりもボールは高く打ち出される。
そして、印象に残ったのがインパクトゾーンでのヘッド挙動。重心距離が長いからだろう。ダウンからインパクトにかけてフェースが返りづらいのが手に伝わる。インパクトでフェースが被りづらく、その影響でオートマチックにフェード系の球が打てる。メーカーの意図通り、左のミスが出づらいドライバーであり、フェード系の弾道がオートマチックに打ちやすくチューニングされている。
弾道計測してみると、打ち出し角が14~15度でスピン量は2600~2900回転。重心は極端に低くない感じで、芯を喰うと適度なスピン量で飛んでいく。ランよりもキャリーで飛距離を稼げるタイプのドライバーだ。
前作のRSシリーズと比べると、スピンが少し増えている感じで、実際に弾道計測してみても、吹き上がらない程度にスピンが入る。ドロップボールのミスは出づらく、スピン量が多めなので、高弾道のフェードが打ちやすい。フックを打つつもりで思い切りインサイド・アウトに振って、これでようやく「うっすら」とドロー弾道がかかるようになった。
純正シャフトは三菱レイヨン製で、挙動がニュートラルでタイミングが取りやすい。トップからダウンの切り返しでは手元から中間部分がしなる。先端側はやや硬めなので入射角が安定しミート率が高くなるシャフトだ。
RS ドライバー Fは、その名前通り、とにかく左のミスが出づらく、イメージ通りのフェード弾道が打ちやすい。
アドレス時、オープンフェースの度合が強いのでスライスのお助けクラブにはなってくれない。ドローやフックが持ち球のゴルファーには、アドレスのしやすさ、左へのミスの出づらさを1発目から体験できる。そして何より、フェードで飛距離を稼ぎたい人には、飛距離と方向性の両方を手に入れることができるドライバーだ。