マーク金井の試打インプレッション

ヤマハ インプレス UD+2 ドライバー

2016/08/16 09:00

打ってみると?(弾道は)

試打クラブはロフト9.5度。シャフトは純正のTMX-417Dで硬さはS。アドレスするとフェースは左を向く、フックフェース。フェースプログレッションが小さいので、ドライバーなのにグースネックっぽく見える。

シャフトはワッグルすると手元剛性が高く、中間部分から先端にかけてしなる。振動数は240cpm。メーカー純正シャフトのSフレックスとしてはやや軟らかめの設定だ。クラブの長さは46インチでバランスはD0。総重量は283gと軽めに仕上がっている(※実測値)。

まずはシャフトに合わせて軽めに打ってみると、「カキーン」と鋭いインパクト音。ルール適合とは思えないほどフェースの弾き感が強く、かつボールも力強く飛び出した。

ストレートボールを意識してスイングすると、強めのドロー弾道。捕まった球がオートマチックに打てる。重心距離が短めで重心アングルも大きいのだろう。大型ヘッドとは思えないほど、ヘッドが返りやすいドライバーだ。フッカーには捕まり過ぎる怖さがあるが、スライサーにはお助け要素が非常に強く、右へのミスを確実に軽減してくれる。

そして、印象に残ったのが振り抜きやすさ。46インチと長尺仕様にも関わらず、フィニッシュまで一気に振り切れる。総重量だけでなく、ヘッド重量もかなり軽くしてあるのかも知れない。好みは分かれそうだが、ヘッドを軽めに仕上げることで、ヘッドスピードが上がりやすくなっているドライバーだ。

ヘッドスピードを46m/sぐらいに上げて弾道計測すると、中弾道で低スピン弾道。芯で捕らえると、スピン量は2600~2800回転。フェースのやや上側でヒットすると2200~2400回転となり、放物線弾道で飛距離を稼げた。ロフト9.5度はリアルロフトが少ないこともあり、ボールの打出し角度はやや低め。アッパー気味にヘッドを入れた方がイメージ通りの高さになった。
標準装着されるTMX-417Dは切り返しで中間部分が大きめにしなり、インパクトゾーンではシャフト先端側がスピーディーにしなり戻る。心地良い加速感を味わえるようにチューニングされているシャフトだ。

長尺と軽めのヘッドによってヘッドスピードのアップを狙い、ヘッドは弾き感の強さで高初速を狙っている。そして、何よりもスライサーでも捕まったドローが打ちやすい。飛びに特化したドライバーであるが、同時に捕まりの良さに特化したドライバーでもある。左のミスが出やすいフッカー向けではなく、右曲がりのスライスに悩んでいるゴルファーが、捕まったドロー弾道で飛距離を稼げるドライバーだ。

クラブを計測してみると?≫
1 2 3 4 5