マーク金井の試打インプレッション

タイトリスト 917 D3 ドライバー

2016/12/27 09:00

打ってみると?(弾道は)

試打クラブはロフト角9.5度のSフレックス。シャフトは純正の“タイトリスト・スピーダー517”。ノーマルポジションでアドレスすると、フェースが開いた感じに見えるのはソールの座り具合の影響が強そうだ。スライサーよりもフッカーが構えやすい顔つきだ。リアルロフト角も多くないので、高弾道よりもやや抑えた中弾道をイメージしやすい。

シャフトはワッグルすると中間から先端部分が軟らかく、しなる。アスリート向けドライバーとしてはソフトな仕上がりだ。

まずはシャフトに合わせて、やや軽めにスイングしてみた。「スパン」と少々低めの金属音とともにボールはやや低めに飛び出した。D2に比べると、打出しが低く感じる。数値的な差はそれほど大きくないが、体感的にはD2よりもやや抑えた弾道が打ちやすい。

インパクトの感触は、前作と比べ、D2と同様、プロ、上級者が好む引き締まった音になり、音が低くなった分だけ球離れも遅くなったようにも感じる。

ヘッドスピードを46m/sぐらいに上げて打ってみると、真っ直ぐ打つつもりで球筋はフェード弾道。

D2同様に、ノーマルポジションはオープンフェースの度合いが強いこともあってボールがつかまりきらない。弾道調整でフェースの向きを少しフックにした方が、つかまりも良くなりそうだ。

ヘッド本来の挙動はニュートラル。重心距離と重心深度の数値バランスが良いからだろう。D2に比べるとD3の方が、操作性が少し高くて、ドロー、フェードが打ち分けやすくなっている。

そして印象に残ったのが、スイートエリアの広さ。前作同様に上下のミスに強いのに加え、左右のミスにも強い。見た目はD2よりも小ぶりなのに、打点がブレていてもヘッドがブレづらい。ツアープロも使うドライバーであるが、ミスに対する許容範囲の広さを感じるドライバーだ。

弾道計測してみると、フェース中央付近でヒットするとスピン量は2600~2900回転。ことさら低重心ではないが、リアルロフトが少なめなこともあって低スピン弾道が打ちやすい。フェースの上側でとらえると、スピン量は2000~2400回転まで減ってランが多く稼げて飛距離を伸ばせた。

純正シャフトの“タイトリスト・スピーダー517”は、切り返しではシャフトの中間部分がクイッとほどよくしなり、ダウンからインパクトにかけてはシャフト先端側がスピーディーにしなり戻る。D2とD3は同じシャフトが装着されており、典型的な先中調子のシャフト。特性としてはつかまりを意識して設計されている。

プロ、アスリート向けのD3だが、一般のアマチュアが手に負えないほどハードなドライバーではない。ノーマルポジションでのオープンフェースの度合いが強いのが気になるが、これは調整機能で補正可能だ。

D2だとヘッドが大きく見えて構えづらい人、もう少しシャープな形状のヘッドが欲しい人、D2よりもやや低めの弾道で飛ばしたい人にとっては、D3はかなり満足度が高いドライバーである。

クラブを計測してみると?≫
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タイトリスト
発売日:2016/10/21 参考価格: 81,000円