ヨネックス ロイヤル EZONE ドライバー
打ってみると?
試打クラブはロフト角10度で、シャフトはメーカー純正の「XELA for Royal」のSRフレックス。ワッグルすると手元側はわずかに軟らかく、中間から先端にかけてのしなりが大きい。
まずは対象ユーザーのヘッドスピード(36m/s)に合わせ、かなり軽めにスイングしてみた。「パシン」とやや低めのインパクト音とともに軽いドロー弾道。47インチの長尺効果もあって、軽く振ってもヘッドスピードが上がる。そして長尺でありながらも、つかまりは適度に良い。フックフェースなことに加え、重心距離もそれほど長くないのだろう。
印象に残ったのが振り心地。クラブは47インチと長いのに、カウンターバランス効果のおかげで振りづらさを感じさせず、気持ち良くフィニッシュまで振り切れる。グリップエンド側(手元側)に重さがあるため、ダウンスイングで手の軌道が安定する。
少し気になったのが、ヘッドスピードの割にはボール初速が出ていないこと。長尺シャフトが装着されているからだと思われるが、ヘッド重量が少し軽そうだ。ヘッドを軽くするとヘッドスピードは上げやすくなるが、衝突エネルギーが減少する。わずかであるがそれが手に伝わってくる。
ヘッドスピードを46m/sに上げて弾道計測してみると、打ち出し角は14度前後で、スピン量は2500~2800回転。高く打ち出されて、ややスピンが少ない弾道が打ちやすい。
長尺の割にはスイング中にクラブの挙動が安定しているので、飛距離だけでなく直進安定性にも優れている。
シャフトは切り返しで中間部分がグイッとしなり、インパクトゾーンではしなった分だけ鋭くしなり戻る。ヘッドだけでなくシャフトでもボールがつかまりやすくなっている。
長尺シャフトはヘッドスピードを上げやすいメリットがあるが、半面、振り遅れのミスが出やすい。このロイヤル EZONE ドライバーは、この長尺の弱点を上手く解消しており、つかまったドローが打ちやすくなっている。ヘッド重量が軽めなので、パワーがある人はやや物足りなさを感じるが、ヘッドスピードが遅め(40m/s以下)の人には、ヘッドが軽い分だけ振り切りやすくなっている。
長尺でヘッドスピードを上げて飛ばしたいシニアゴルファー。さらには、長尺でもドローが打ちやすいクラブを求めるシニアゴルファーには、飛距離アップが大いに期待できるドライバーだ。