フォーティーン FH900 フォージドアイアン
打ってみると?
試打クラブに装着されるシャフトは、軽量スチールの日本シャフト N.S.PRO MODUS3 TOUR 105のSフレックス。ワッグルすると、手元がクイッと小さくしなる。軽量スチールだが同社のN.S.PRO 950GHに比べると手元のしなり感を感じやすい。
まずは7番アイアンから打ってみると、1発目からスピンがしっかり効いた弾道。ロフト設定が大きめなこともあって、見た目どおりにボールが上がる。安定したキャリーが出やすく、かつグリーンにピタッと止まる球が打てる。手応えもキャビティというよりはマッスルバックに近い分厚い感触が手に伝わってくる。
5番アイアンに持ち替えても同じように分厚い手応えで、球離れも遅めだ。それでいてフェースの弾きがいいのでボールが力強く飛び出す。続いて9番アイアンを手にしても、スピンがしっかり入る。すべての番手に通じているのは、飛ばすことよりも弾道と距離感をコントロールしやすいという点だ。
そして印象に残ったのがスピンコントロールのしやすさ。打点位置を変えて打ちやすく、意図的にフェース下側でとらえるとスピン量を1000回転ほど増やせた。
7番アイアンで弾道計測してみると、打ち出し角が21度前後で、スピン量は6000~6400回転。ロフト角が33度と大きいことも影響して、スピンが多めだ。9番アイアンだとスピン量は7700回転を超え、グリーンにピタッと止まるだけでなく、バックスピンで戻る球も打てる。
ソールの形状はフラットでインパクト時の接地面積が広い。バウンス角が適度にあるのでダウンブローで鋭角にヘッドを入れるスイングと相性良く仕上がっている。
FH-900 フォージドはキャビティ構造になってはいるが、見た目通り、スイートエリアの広さよりも操作性の高さを強く感じる。遠くに飛ばすことよりも、距離感の出しやすさ、スピンコントロールに長けたアイアンだ。自分の感性をクラブに伝えたい中・上級者、構えたときの顔や打感にこだわるゴルファーには、満足度が高いアイアンだろう。