追従性、操作性ともに◎ 「フジクラ スピーダー エボリューション 4」
シャフトの挙動
シャフト試打で使うヘッドはテーラーメイドの「M2」。体積はルール最大級の460cc。ロフト角は9.5度で、リアルロフト角は10度前後というもの。
試打するシャフトの種類は569(50g台)のSフレックス。ワッグルしてみるとシャフトのしなり感はかなり控えめ。手元だけでなく、シャフト全体がしっかりしている。中調子であるが、従来のスピーダーシリーズのムチのような感じが少なく、骨太でしなり量が少ないシャフトである。
まずはヘッドスピード43m/sぐらいから打ってみた。これくらいのヘッドスピードだと、シャフトの動きが少ないというのが第一印象。トップからダウンの切り返しでは、中間部分がクイッと小さくしなる。前作エボ3に比べると、ヘッドが遅れる度合いが少ない。それでいてインパクトゾーンではスピーダーならではのシャフトの走り感が手に伝わる。
インパクトゾーンでのシャフト先端の動きがそれほど大きくないからだろう。ヘッドがアッパーに動く度合いが控えめなので、入射角が安定して打点位置も安定する。ミート率の良さを感じるシャフトだ。
ヘッドスピードを46m/s前後に上げてもシャフトの挙動は変わらず、しなり感は控えめだ。ヘッドの追従性が非常に高く、自分のイメージ通りのタイミングでインパクトを迎えられる。先端から手元にかけて剛性差をあまり持たせていないことが、追従性の高さにつながっているのだろう。
弾道計測してみると、ボール初速が出ていて打出し角が高い。ヘッドがアッパーに動きづらい分だけ、フェースの上側でヒットしやすく、低スピン弾道が打ちやすい。ストレート弾道を打つイメージでスイングすると、狙い通りのストレート弾道になった。
続いてヘッドをインから入れたら、狙い通りのドロー。ややカットにヘッドを入れたら、これも狙い通り右曲がりのフェード。球筋を打ち分けやすく仕上がっている。
ただし追従性が高いので、必要以上にインサイドからヘッドを入れてしまうと、インパクト前にフェースが被る。当然ではあるが、追従性が高いシャフトを使いこなすにはある程度の技術が求められる。
メーカーの意図通り、「エボ4」はシャフトの追従性が高く、しっかり叩けるシャフトだ。軽くスイングするよりも、しっかり振り切った方が、シャフトの性能を引き出せ、かつ飛距離を稼げるシャフトである。
【適正ヘッドスピード】
スピーダー エボリューション 4 569(S)
適正ヘッドスピード44~48m/s