マーク金井の試打インプレッション

硬派ながら柔らかな打感 「ミズノプロ 518 アイアン」

2018/01/16 05:00

打ってみると?

試打クラブに装着されるシャフトは、スチールシャフトの「ダイナミックゴールド95」。数字が示すとおり、通常のダイナミックゴールドよりも30gほど軽い、90g台の軽量スチール。硬さはSフレックス。軟鉄鍛造ヘッドなので、今回もライ角は試打者に合わせて調整している。

まずは9番アイアンから打ってみた。ボールはゆっくり飛び出し、高めのストレート弾道。キャビティ構造であるが、インパクトでボールがフェースに吸い付く感じが手に伝わる。球離れも早くなく、インパクトで球を包み込むような感触を味わえる。

丸みが強いソールは、インパクトでの接地感が少なく非常に抜けがいい。プレーンに沿ってヘッドを正しく入れると、シュパーンと気持ち良く振り抜ける。

続いて7番アイアン。こちらもソールの抜けが良く、インパクトではボールを包み込む感触が手に伝わる。ヘッドの素材もさることながら、軟らかい銅下メッキの効果が打感の良さを引き出している。

弾道はストレートから軽いドロー。7番のロフト角が32度なので打出し角はやや高めで、スピン量は見た目よりも少なめだ。7番だとバックスピンが強くかかる感じはなく、落下後に少しランが出る。おそらく重心位置が低めなのだろう。7番で弾道計測すると、打出し角は20度前後でスピン量は5100~5500回転だった。

小ぶりなヘッドの割にスイートエリアの広さを感じる。大型ヘッドほどミスに対する許容範囲は広くないものの、マッスルバックに比べると、打点が多少ブレても飛距離が落ちにくく感じる。

操作性は期待通りに高く、アウトサイドからややカットに入れるとフェード、インサイドからヘッドを入れるとイメージ通りのドローが打てた。

標準装着シャフト「ダイナミックゴールド95」は、オリジナルのダイナミックゴールドに比べると手元の剛性が高め。切り返しで手元のしなりは控えめだ。挙動はダイナミックゴールドを軽くしたフィーリングがあって、吹き上がりを抑えた弾道が打ちやすく仕上がっている。

ミズノプロ 518」はシャープな形状で軟鉄鍛造ヘッドならではの打感の良さがありつつ、ミスにも適度に強い。アスリート向けのアイアンの中ではスピンが少なめなので、「風に強い弾道」が打ちやすいアイアンである。

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ミズノ
チタンマッスル構造が進化
発売日:2017/09 参考価格: 123,120円