マーク金井の試打インプレッション

シャープな見た目でミスに寛容 「タイトリスト 718 AP2 アイアン」

2018/02/13 05:00

打ってみると?

試打クラブに装着されるシャフトは、トゥルーテンパー社のスチールシャフト「AMT TOUR WHITE」で、フレックスはS200。軟鉄鍛造ヘッドなので、ライ角は試打者に合わせて調整している。

まずは9番アイアンから打ってみた。インパクトでボールを包み込む感触を手に残しながら、ボールは高めの弾道で上がる。キャビティ構造であるが、球離れは遅め。前作同様、マッスルバックで打った時のようなしっかりとした打感が心地よい。

幅がそれほど広くないソールは、インパクトでの接地感がやや少なめで抜けが非常に良い。ダウンブロー軌道でヘッドを正しく入れると、「スパーン」と気持ち良く振り抜ける。アイアンというより、ロフト角が立っているウェッジを打っているような感じがする。

続いて7番アイアン。こちらもソールの抜けが非常に良く、インパクトの手応えはしっかりとしている。弾道はストレートから軽いドロー弾道。7番のロフト角が33度もあるが、打出し角はそれほど高くない。ダウンブローにヘッドを入れたくなるからだと思うが、7番らしい弾道が打てる。スピン量もしっかり入るので、グリーンに止まる球も打ちやすい。

7番で弾道計測すると、打ち出し角は21度前後でスピン量は5800~6300回転。グリーンオンしたら1クラブ分ぐらい転がって、ピタッと止まる感じの弾道が打てる。

スイートエリアに関しては、小ぶりなヘッドの割にはミスに対する許容範囲の広さを感じる。打点が多少ブレても飛距離が落ちづらく、かつ方向性も安定している。前作の「AP2」に比べると、出球と弾道の高さがそろいやすくなっているようだ。

操作性は期待通りに高く、アウトサイドからややカットに入れるとフェード、インサイドからヘッドを入れるとイメージ通りのドローが打てる。球をまっすぐ打つよりも、曲げて打ちたくなるアイアンである。

「AMT TOUR WHITE」シャフトは「ダイナミックゴールド」に比べると上の番手では少し軽く、しなりを感じ取りやすい。5番から7番ぐらいまでは軽くしてしなりを感じやすい分だけ、高弾道が打ちやすい。挙動は「ダイナミックゴールド」と同じく、切り返しで手元のしなりを感じやすいタイプである。

718 AP2」はキャビティ形状だが、マッスルバックに匹敵する打感の良さを味わえ、なおかつミスにも適度に強い。打感や打音、ヘッド形状にこだわりながらも、多少はミスへの強さを求めるゴルファーにとっては、まさに理想的なアイアンである。

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タイトリスト
ツアープレーヤーが認める高機能アイアン
発売日:2017/09/30 参考価格: 142,560円