心地いい打感と高い操作性「タイトリスト 718 CB アイアン」
打ってみると?
試打クラブに装着されるのはスチールシャフトの「AMT TOUR WHITE」のSフレックス。番手ごとに重量フローがなされるタイプのシャフト。軟鉄鍛造ヘッドなので、ライ角は試打者に合わせて調整している。
まずは9番アイアンから試打。「スパーン」という打音とともに、ボールは高く打ち出された。キャビティ構造であるが球離れは遅く、ボールを包み込む感触が心地いい。バックフェースの形状を確認していなかったら、マッスルバックで打っていると勘違いしてしまいそうだ。
ソール幅は狭いが、バウンス角が適度にあるからか。インパクト後ソールが地面をしっかりとらえてからヘッドは抜けていく。払って打つよりもダウンブローにヘッドを入れた方が、挙動が安定する。
続いて7番アイアン。こちらもソール幅とバウンス角とのセッティングが絶妙。ダウンブローにヘッドを入れると、ヘッドが無駄な動きを一切しないで抜けていく。
インパクトの手応えはしっかりとしていて、芯を喰ったときの手応えが気持ち良く、芯を外したときとの違いがはっきり手に伝わる。
弾道はストレート。7番のロフト角が34度あるが、打出し角はそれほど高くはならず、7番らしい弾道が打てる。スピン量もしっかり入るので、グリーンにピタッと止まる球も打ちやすい。
7番で弾道計測すると、打出し角は20~21度でスピン量は5900~6400回転。ボールがグリーンに落ち、ワンクラブ転がって止まる弾道が打てる。ただし飛び系アイアンに比べるとキャリーは出ない。ドライバーのヘッドスピードが45~46m/sぐらいだと、キャリー150ydが精一杯だ。
スイートエリアに関しては、見た目通りそれほど広くはない。マッスルバックと比較すると少しだけスイートエリアが広くなっている印象。当たり前だが、この小さなヘッドに大型ヘッドのようなやさしさを求めるのは酷なことだろう。
操作性は高く、アウトサイドからややカットにヘッド入れるとフェード、インサイドから入れるとイメージ通りのドローが簡単に打てる。球を真っ直ぐ打つよりも、曲げて打ちたくなるアイアンだ。
純正装着の「AMT TOUR WHITE」はオリジナルのダイナミックゴールドに比べると、上の番手では軽くてしなりを感じ取りやすい。5番から7番までは軽くしてしなりを感じやすい分だけ、高弾道が打ちやすい。挙動はダイナミックゴールドと同じく、切り返しで手元側のしなりを感じやすいタイプ。
「718 CB アイアン」は、前作同様マッスルバックのようなシャープな形状と手応えで操作性が高い。モデルチェンジによってバックフェース形状は異なるが、打ち心地や手応えは前作を引き継いでいる。
打感や操作性にこだわりながら、マッスルバックよりはやさしいアイアンを使いたいゴルファーにとっては、非常に満足度が高いモデルである。