打点がぶれても曲がらない「テーラーメイド M4 ドライバー」
打ってみると?
試打クラブはロフト角9.5度で、装着するシャフトは純正「FUBUKI TM5」のSフレックス。ワッグルすると中間から手元側がしなる。日本仕様ということもあり、Sにしては軟らかめだ。
ノーマルポジションだとフェースがやや右を向く。「M2」と同じく「M4」もニュートラルポジションではフッカー好みの顔つきだ。ちなみにアドレスした状態でフェース面を見ると、ねじれた感じはなくほぼ真っ平らに見える。
まず、ヘッドスピードを落として打ってみた。「スパーン」と乾いたインパクト音とともに、ボールは少し右に飛び出した。モデルチェンジで慣性モーメントが大きくなったからだと思われるが、「M2」よりも「M4」の方がヘッドが返りにくく感じる。
1発目はインパクトでフェースがやや開いた感じで当たり、イメージよりも少し右に出たので、今度はややインサイドからヘッドを入れると、イメージ通りのストレート弾道になった。
ヘッドの挙動が安定しているので、直進性が高い弾道がオートマチックに打てる。ヘッドスピードを上げてもその傾向は変わらない。操作性は高くないので、球を左右に曲げるのが難しいが、直進性が高い弾道を打つのに適しているドライバーだ。
続いてわざと打点をずらして打ってみた。確かに、トウ側上部で打っても強いフックが出づらく、ヒール側下部で打っても強いスライスにはなりにくい。ツイストフェースの効果に加え、慣性モーメントが大きくなったことも、左右の曲がりを抑えることに影響していそうだ。
ヘッドスピードを46m/sまで上げて弾道計測すると、打ち出し角は11~12度で、スピン量は2300~2600回転。やや低めの中弾道でスピンは少ないので、キャリーとランで飛ばせる。フェースのやや上側で捉えると、打ち出し角度が少し上がり、スピン量は1800~2200回転まで抑えられ、さらに飛距離を稼げた。
純正シャフト「FUBUKI TM5」のSフレックスは、切り返しでシャフト中間部分が大きめにしなり、ダウンスイングではしなった分だけしなり戻る。切り返しでしなりを感じやすいのでタイミングが取りやすく、フィニッシュまで気持ち良く振り切れる。
ツイストフェースで注目を浴びている「M4」だが、試打した感じでは「M2」より慣性モーメントが大きく、重心距離が長くなったことが印象に強く残った。打点がぶれてもヘッドの挙動が安定しており、左右の曲がりも軽減している。左へのミスを軽減させたいゴルファーにとっては満足度が高く、飛距離を伸ばせるドライバーだろう。