フェース反発と多彩な調整機能が生み出す飛び「テーラーメイド M5 ドライバー」
打ってみると?
試打クラブはロフト角10.5度。装着するシャフトは純正の「KUROKAGE TM5 2019」のSフレックス(三菱ケミカル製)。ワッグルすると全体的にしっかりしており、中間部分が少ししなる感じだ。
前作同様、ノーマルポジションだとフェースがやや右を向く。スライサーよりはフッカー好みの顔つきである。ツイストフェースが採用されているが、アドレスした状態でフェース面を見ると捻れは感じず、一般的なドライバーと同じように見える。
まずはやや軽めにスイングしてみた。インパクト音はやや低め。硬質な金属音ではなく、ややこもっている。音が静かなのは、フェース裏側に注入されたレジン(樹脂)の影響だろう。
ボールはやや右に飛び出し、そこからストレート弾道。インパクト音は控えめだが、ボールの飛び出しは鋭い。いい意味で音とボールの飛び出し方に少しギャップを感じる。
やや低めに飛び出す低スピン弾道で、10.5度でもボールが上がり過ぎることはない。つかまりに関してはニュートラルで、ノーマルポジションだとストレートから軽いフェード弾道が打てるドライバーだ。
続いてわざと打点をずらして打ってみると、前作同様、トウ側上部で打っても強いフックが出づらく、ヒール側下部で打っても強いスライスにはなりづらかった。
ヘッドスピードを46m/sに上げて弾道計測すると、打ち出し角は13度前後で、スピン量は2400~2700回転。ちょうどいい高さの打ち出し角の低スピン弾道だ。
以前ロフト角9度を試打した時はボールが上がりづらく感じたのだが、10.5度だとイメージ通りの打ち出し角が得られ、キャリーとランで距離を稼げる。加えてロフト角9度に比べ、10.5度はロフト角が大きい分つかまりが良い。
「KUROKAGE TM5 2019」のSフレックスは、切り返しでシャフト中間がしなり、ダウンスイングではしなった分だけしなり戻る。「M3」の純正シャフトと同様、追従性が適度に高く、自分の意図が伝わりやすい。
試打して印象に残ったのがボール初速の出方。芯で捉えた時だけでなく、やや芯を外した時でも「M3」よりボール初速が出ている。ルールの上限ぎりぎりに迫ったフェースが、ボール初速のアップに貢献しているのだろう。
ノーマルポジションで試打をしてみたが、メーカーのアピール通り、フェースの反発性能は前作を上回り、ボール初速が増したのを実感できる。さらに低スピン弾道が打ちやすくなっているので、キャリーだけでなくランでも距離を稼げる。
調整機能を求めつつ、かつ1ydでも遠くに飛ばしたいと願うゴルファーには、大いに期待に応えてくれるドライバーだろう。