ミスに強くアゲンストにも負けない飛び「PXG 0811 XF GEN2 ドライバー」
打ってみると?
試打クラブはロフト角10.5度。スタンダードポジションでアドレスすると、ソールの据わりが影響してフェースが開く度合いが大きく、スライサーよりもフッカー好みの顔つきだ。
PXGはフィッティングを前提としているため、純正シャフトは存在しない。試打クラブに装着されていたシャフトは三菱ケミカルの「TENSEI CK プロ オレンジ 50」。50グラム台のRフレックス。ワッグルすると手元から中間にかけてしなる。
まずはストレート弾道をイメージして打ってみた。「スパーン」とややくぐもった金属音とともに、ボールは中弾道で飛び出した。インパクト音は前作よりも控えめだが、フェースの弾き感が強く球離れは早めだ。
球筋はやや強めのフェード弾道。オープンフェースと重心距離が長いことが影響しているのだろう。ダウンからインパクトにかけてヘッドが返りにくく感じる。
数発続けて打っても、ストレートから軽いフェード。前作と同様、左へのミスが出づらい。インサイド・アウト軌道で意図的にフックを狙って打っても軽いドロー弾道。ボールがつかまり過ぎず、引っかけやチーピンが出にくいタイプのドライバーである。
印象に残ったのがスピン量の少なさだ。前作よりも重心が低くなったことで、オートマチックに低スピン弾道が打てる。フェースの中央付近で打っても、スピン量が少なく放物線弾道になる。
ヘッドスピードを46m/sぐらいに上げて弾道計測してみると、打ち出し角が12度前後で、スピン量は2200~2600回転。フェースの上側で打つとスピンが減りすぎてキャリー不足になる弾道が出てしまうほど、低スピン弾道に特化している。
「TENSEI CK プロ オレンジ」は手元調子のシャフトで、しなり量は控えめ。トップからダウンの切り返しでは手元側がクイッとしなり、しなり戻りのスピードはそれほど速くはない。しっかりたたけるシャフトで、先端側の剛性が高い。つかまりよりも左へのミスが出づらいタイプである。
「0811 XF GEN2」は、カーボンクラウンの採用で前作よりも明らかにスピン量が減少している。吹き上がる弾道を打とうと思っても打てないドライバーだ。スライサーよりもフッカー好みにチューニングされている。
つかまり過ぎないドライバーを求めつつ、吹き上がって飛距離をロスしているゴルファー、アゲンストの風でも距離が落ちないドライバーを求める人には、大いに期待に応えてくれるだろう。