ゆったり振っても飛距離アップ「ブリヂストン PHYZ ドライバー」
打ってみると?
試打クラブはロフト角10.5度。シャフトは純正の「PZ-409W」のRフレックス。
ワッグルするとシャフトの中間から先端にかけてかなり大きめにしなり、トルクも大きめだ。
まずはシャフトのフレックスに合わせて、ヘッドスピードを落として打ってみた。「スパーン」と乾いた金属音で球離れが早く、鋭い弾き感が手に伝わる。
体感的にヘッドスピードは38m/sくらいだが、それでもボール初速はしっかりと出ており、つかまりのいいドロー弾道が打てる。
前作と同様、つかまった球がオートマチックに打てる。重心アングルが大きいのが影響しているのだろう、ダウンからインパクトにかけて、フェースが左に左にと回転したがるのだ。その結果、ストレート弾道を打つつもりでスイングしても、フェースが予想以上に返って、強めのドロー弾道になる。
この挙動は、スライサーにとってはドローを打ちやすいが、フッカーにはつかまり過ぎる怖さがある。メーカーも、スライサー向けのクラブだと割り切っているのだろう。
純正シャフト「PZ-409W」は、全体的に軟らかいが頼りなさはない。ヘッドスピードを45m/sぐらいまで上げると、さすがにヘッドが遅れた感じになる。
このシャフトは対象ユーザーに合わせ、ヘッドスピード(40m/s以下)で気持ち良くしなって戻る。インパクトゾーンでは、ムチのように鋭くしなり戻り、これによりヘッドの加速感が味わえる。シャフトもつかまりが良く、ドローが打ちやすい。
ヘッドスピードを45m/sぐらいまで上げて計測すると、弾道は高く上がり、ほどよいスピン量。ドロー弾道で安定したキャリーが出やすい。フェースのやや上側でヒットすると、スピン量は2100~2600回転となり、放物線弾道で飛距離を稼げた。
前作と同様に調整機能は省かれているが、対象ユーザーが明確だ。ヘッドスピードが遅めで、軽いドライバーと相性が良いゴルファーが使うと、確実にヘッドスピードが上がって飛距離アップにつながるだろう。
スライスで飛距離をロスしている人であれば、右曲がりを軽減でき、方向性の安定と飛距離アップの両方が実現できるだろう。