マーク金井の試打インプレッション

ミスにやさしく抜群の安定性「タイトリスト T200 アイアン」

2019/10/15 05:00

打ってみると?

試打クラブに装着されるシャフトは、カーボン素材の「タイトリスト クロカゲ 60」(三菱ケミカル製)の硬さS。シャフト重量は64g(メーカー値)。

まずはピッチングウェッジ(PW)から打ってみた。「T100」よりもロフト角は3度立っている(43度)が、弾道はほとんど変わらない。ウェッジらしいスピンがしっかり効いた高弾道だ。

打感は「T100」と異なり、インパクトでボールが潰れる感触は希薄。球離れが早そうな手応えなのに、手には弾き感が伝わらない。フェース内のシリコンポリマーの効果で振動が抑えられ、ソフトな打感が味わえるのだ。「T100」「T200」ともにソフトな打感ではあるのだが、手に伝わる感触が微妙に異なる。

続いて7番アイアン。こちらもソフトな打感とともに、ボールは鋭く飛び出す。「T100」よりロフト角が小さい分だけ打ち出しはやや低めだが、スピンがしっかり効いたアイアンらしい弾道だ。

「T100」と同様、インパクトでのソールの接地感が少なく、抜けが非常に良い。ただしバウンス角が小さいので、ダウンブロー軌道でヘッドを入れると深く入る。地面とコンタクトした時にソールが跳ねづらく、ダフりのミスにはそれほど強くなさそうだ。

弾道はストレートから軽いドロー弾道。ロフト角が30度、打ち出し角は17度~18度でスピン量は6000回転前後。

印象に残ったのが弾道安定性。スイングが多少乱れてもヘッドの挙動が安定しており、多少芯を外しても弾道がねじれない。クラブを振り抜いた方向に素直にボールが飛んでくれる。

スイートエリアが見た目よりも広く、小ぶりなヘッドの割には、左右のミス対する許容範囲の広さを感じる。打感と同じくミスに対する許容範囲も、見た目とのギャップを感じるアイアンである。

操作性は見た目通りに高く、アウトサイドからカットに入れればフェード、インサイドからヘッドを入れるとイメージ通りのドローが打てる。

純正装着されるシャフト「タイトリスト クロカゲ 60」は手元剛性が高く、中間部分にしなりのポイントがある中調子。しなり量はそれほど大きくなく、操作性が高い。

プロ、上級者が求める操作性を実現しつつも、ある程度の飛距離も出せる。スピン性能も高いので、グリーンに止まる弾道が打てるアイアンだ。

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タイトリスト
発売日:2019/08/30 参考価格: 129,600円