マーク金井の試打インプレッション

大型ヘッドと相性◎ 低スピンの強弾道「グラファイトデザイン ツアーAD XC」

2019/11/19 05:00

シャフトの挙動

シャフト試打で使うヘッドは、テーラメイドの「M3」。体積は460cc、表示ロフト角が9.5度で、リアルロフト角は10度前後というもの。

試打するシャフトは50g台の硬さS。ワッグルすると手元がクイッとしなるが、先端はほとんど動かない。今どきのSシャフトとしては硬めで、打つ前から手元側にしなりのポイントがあることが分かる。

素振りでシャフトの挙動を確認後、1発目からしっかり振り抜いた。ストレート弾道を打つつもりでスイングしたら、明らかなフェード弾道となった。インパクトゾーンでヘッドがターンする度合いが少なく、左へのミスが出づらいのが手に伝わる。

トップからダウンの切り返しでは手元側がクッとしなる。シャフトがタメを作ってくれるので、切り返しのタイミングを取りやすい。

ダウンからインパクトにかけてはシャフト全体が鋭くしなる。シャフトの剛性感、バネ性が高く、インパクトでは力強くボールを押してくれる。先端側のしなりが少ないので、ヘッドはアッパー軌道になりづらく、打ち出し角が低めの弾道がオートマチックに打てる。

インパクトゾーンでのシャフト先端側の動きが少ないので、入射角、打点位置が安定している。加えて、ヘッドがアッパー軌道に動かないので、フェース上側でボールを捕らえることができ、低スピン弾道が打ちやすく仕上がっている。

ヘッドスピードを45m/sで弾道計測してみると、打ち出しはやや低めで軽いフェード弾道。中元調子らしくインパクトでフェースが被らないので、左へのミスが出づらいシャフトだ。

スピン量に関しては、ツアーADシリーズの中では「BB」に並び、低スピン弾道が打ちやすいシャフトである。

ヘッドをインから入れても左へのミスは出づらいが、カットにヘッドを入れると強めのスライス弾道になった。球筋の打ち分けはしやすいが、カットにヘッドを入れた場合はイメージよりも右曲がりの度合いが大きくなった。

印象に残ったのがヘッドの追従性。シャフトのしなり戻りが鋭いので、大型ヘッドでも遅れた感じにならず、ジャストタイミングでインパクトを迎えることができる。重心距離が長く、重心深度が深いヘッドとの相性の良さを感じるシャフトだ。

「XC」シリーズは、左へのミスを軽減させたい人や、低スピン弾道で飛距離を稼ぎたい人、今どきの大型ヘッドと相性が良いシャフトを求める人にとっては、大いに期待に応えてくれるだろう。

【適正ヘッドスピード】
ツアーAD XC-5(硬さS):43~47m/s

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グラファイトデザイン
強いしなり戻りとインパクトに向かう加速感
発売日:2019/09/06 参考価格: 43,200円