ディアマナ ZF/ヘッドスピード別試打
筒康博「やさしい“軽硬”」
―率直な印象は?
「『ディアマナ ZF』は、これまでの『ディアマナ』のイメージとは違う、走る要素が加わったモデルだなという印象をもちました。本来、『ディアマナ』は“粘り系”と言われてきましたが、そのカテゴリーに収まらない従来モデルとは異なった特性ではないかと思われます」
―「エボ6」の時とは逆シフト?
「…確かに。今回の『ZF』では、藤倉コンポジット『スピーダー』シリーズの要素である“走り感”要素が含まれています。逆に『エボ6』は、三菱ケミカルの強みである“粘り感”を含んだモデルにシフトしています」
―結果的に似てきた?
「ウーン…、両者が似てきたという感覚とはまた違うように思います。『ZF』も『エボ6』も出発地点が違うので、同じ特性になった印象はありません。『ディアマナ』は『ディアマナ』、『スピーダー』はやはり『スピーダー』。三菱ケミカルらしい“しっかり感”と操作性は担保してあるので、『ディアマナ』のコンセプトの中で“走り系”を作ったという感じでしょうか」
―重さを選ぶ基準は?
「他メーカーや従来モデルで使用している重さより、10g軽くしても良いと思います。軽量にしても“しっかり感”があるため、ギュンとかギャンといった暴れ方を一切しません。60gの人は50g、50gの人は40g…とやや重量帯を落とすことで、振りやすさをより感じることができるモデルだと思います」
―ひと言でいえば、“軽硬(カルカタ)”ですね?
「そうですね。“軽硬”の中でも、やさしい“軽硬”です。ユーザー層の幅を広く設定した、誰にでも扱えるやさしい“軽硬”。新たなスタンダードモデルになり得るシャフトが、また出てきたなという印象をもちました」
―どのような人向き?
「ズバリ球を曲げずHSを上げたい人。飛距離は伸ばしたいけれど、ボールを曲げてしまっては元も子もありません。また、クラブの軽量化を考えている人も向いていると思います。軽くしたおかげで、シャフトが頼りなくなってしまう例が多々ありますので、頼れる軽いシャフトを求める人におすすめです」
筒康博(47)
変幻自在に球を操るクラブフィッター。クラブフィッティング&レッスンスタジオ「PCM Labo」総合コーチ。プロアマ問わず7万人以上のゴルファーにアドバイス経験をもつ。身長168cm。