クラブ試打 三者三様

ヤマハ RMX 220を筒康博が試打「曲げずに飛ばす1W」

2020/02/27 05:00

ヤマハ「RMX 220 ドライバー」の評価は!?

ルール限界に迫るほどの最大級の慣性モーメントで、飛距離ロスや曲がりを最小限に抑えるヤマハ「RMX 220 ドライバー」をピックアップ。特徴は何と言っても、投影面積が“特大サイズ”ともとれるほどの大きなサイズ感だ。どれだけ強く叩いても打球がねじれないというモデルだが、果たして実際はどうなのか!? 同シリーズ「RMX 120 ドライバー (以下120)」と比べながら、ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。変幻自在に球を操るクラブフィッター・筒康博は、どのような評価をくだすのか!?

「打音の良さが打感の評価につながった」

―率直な印象は?
「打感は申し分なかったので、【打感】の評価を5点満点にしました。特に打音が秀逸です。低音でもないし高音でもない、適度な中間の音色。しかも『キーン』と長く響かず、短い弾き音のため、耳には飛んで弾いている感覚がダイレクトに伝わってくる。耳からくる感覚、手に伝わる感触、総合して最高点をあげて良いレベルと評価しました」

―実際に打った印象は?
「ヘッドの見た目通り、つかまるしブレない。しかもフェースに伝わる感触が鈍くないため、しっかり打っている感触も伝わる。飛びも実感できるということで、ヘッド性能に関しては、まったく問題ないかなと思いました。あとは、『RMX』のコンセプトでもある、シャフト選び次第になるかな…といったところでしょうか」

ヘッド性能は抜群と評した筒

―シャフト選び次第?
「HSとスペックがきちんと合えば、方向性も出せますし、打ち出し角があるわりにスピン量は増えないので、飛距離にも反映しやすいと思われます。今回の結果も僕としては、打ち出し角が大きいほう(平均8.1度)ですが、スピン量が少なかった(平均3152rpm)ので、あとはしっかり試打して、最適なシャフトを選べば、最適なモデルになると実感しました」

―見た目の印象は?
「このモデルに関しては、見た目で食わず嫌いになる人が多いと思われます。FP値(フェースプログレッション:シャフトの中心線とリーディングエッジとの距離)が影響していると思うのですが、フェースが奥に引っ込んでいる分、構えにくいという人が多いと思うのです。その点で『120』を求める人は多いと思うのですが、弾道が低くて球をつかまえきれないという人には、圧倒的に『220』のほうが最適といえると思います」

左が220、右が120。220のほうがかなりFP値が大きい

―「ブーストリング(初速を上げるヘッド内部のリブ)」テクノロジーは実感した?
「高慣性モーメントヘッドの唯一のデメリットが、ボール初速が出にくい点です。その部分をうまく補うために生まれたのが、この『ブーストリング』だと思うのです。ヤマハはもともと弾きという点にずっと重きを置いてきたメーカーなので、曲げずに飛ばすテクノロジーとしては、さずがヤマハと唸ってしまうような性能だと思いました」

―どのような人向き?
『RMX』はシャフトを選べることがウリであるのに、シャフトを買った当時から替えないという人が多いのが現実です。また従来の『RMX』シリーズを持っている人が、スリーブ付きシャフトの互換性があるのに、ヘッド単体で買い替えることをしない人も多い。ですので、固定観念でヘッドの見た目だけで購入してきた人、シャフトと統一で判断を決めてきた人などに、一度試してもらいたいモデルだと思います」

打感と寛容性が満点! 【総合評価4.3点】

【飛距離】4.5
【打 感】5.0
【寛容性】5.0
【操作性】3.5
【構えやすさ】3.5

・ロフト角:10.5度
・使用シャフト:オリジナルカーボン TMX-420D/硬さR
・使用ボール:ロッテ葛西ゴルフの専用レンジボール(ツーピース)

取材協力/トラックマンジャパン株式会社、ロッテ葛西ゴルフ

■ 筒 康博 プロフィール

プロコーチ、クラフトマン、フィッターとしてプロアマ問わず8万人以上のゴルファーにアドバイスを経験。江東区・インドアゴルフKz亀戸内「ユニバーサルゴルフ スタジオ」トッププロファイラーを務める。

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ヤマハ
ルール上限に迫る大慣性モーメントで曲がらない
発売日:2019/09/06 参考価格: 81,000円