クラブ試打 三者三様

SIM ドライバーを西川みさとが試打「フラットに見える」

2020/04/14 05:00

テーラーメイド「SIM ドライバー」の評価は!?

テーラーメイドの超人気モデル「M」シリーズが「SIM」シリーズとして一新され、発売から約2カ月が経過した。新搭載の斜めに配した「イナーシャ ジェネレーター(ソール後方の出っ張り部分)」について、すでに多くのレビューで意見が飛び交い、効果を実感するという声からあまり感じないという声まで評価が割れている。果たして、その重心効果と空力性能は本物なのか!? ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。まずはHS40m/s未満の女子プロ・西川みさとが試打評価を行った。

「見た目と試打した印象に変化が…」

―率直な印象は?
「最初のイメージと試打してみた後の印象で、大きな変化がありました。初めはツアーモデルということもあり、難しいクラブという勝手なイメージをもっていたのですが、実際に打ってみると、ボールは上がりやすく、打感もやわらかく、フェースに食いついている感じもあり、すごくやさしい印象に変わりました

プロ仕様バリバリのアスリートモデルというイメージが変わる…?

―見た目は難しい…?
「そうですね。構えている時はヘッドがフラットに見えて、ボールがつかまりにくい印象を受けます。自分でつかまえにいかないと右へ逃げてしまうような…。最近のモデルは、アップライトのものが多いので、それらと比べるとややハードヒッター向けに見える印象はあります」

上からの見た目の印象を「フラット」と表現した西川

―でも 実際は違う?
「はい。実際はつかまりやすいですし、弾道も高かったので、私くらいのHS(平均35~36m/s)の人でも、無理なく扱えるやさしいモデルといった感想です。スピン量も抑えられていましたし、やさしくて、しかも飛ばせるモデルであることを実感できました」

トウ側から見ると四角張っているのが分かる

―「SIM MAX ドライバー(以下『MAX』)」と比べてどう?
「ウーン…、『MAX』より少しだけ打感が硬いのかなー…。でもそれほど気にはならないレベルですかね。『MAX』のほうがやさしいという先入観から来る錯覚なのかも…?? まぁ、それほど違いがなかったということです(笑)」

斜めにしたことで空気抵抗を低減させた「イナーシャ ジェネレーター」

―「イナーシャ ジェネレーター」の効果は?
「ソール側を見ると存在感を覚えますが、上から見る分には、付いていないモデルと変わらないので、効果という効果を感じることはありませんでした。メーカー側もたぶん、上から見て違和感ない装置として設計し、性能的にはプレーヤーを助けてくれる、そのようなコンセプトでつくっているのだと思います」

ボールの上げやすさを感じていた模様

―どのような人向き?
「前作の『M5 ドライバー』『M6 ドライバー』より、やさしくなっている感じはありましたので、ターゲット層はもう少しHSが遅い人も含まれていると思います。HS40m/s前後あれば、問題なく扱えますし、アスリートであれば女子ゴルファーでもマッチする人は多いと思います。意外と万人向けのモデルなのかなーと。おすすめできないのは、アップライトなヘッドでないと厳しいという人だけですかね」

点数はやや伸び悩み… 【総合評価3.9点】

【飛距離】4.0
【打 感】3.5
【寛容性】4.0
【操作性】3.5
【構えやすさ】4.5

・ロフト角:10.5度
・使用シャフト:TENSEI シルバー TM50/硬さSR
・使用ボール:昭和の森ゴルフドライビングレンジ専用レンジボール

取材協力/トラックマンジャパン株式会社、昭和の森ゴルフドライビングレンジ

※前回まで、試打者3人ともロッテ葛西ゴルフにて収録してきましたが、コロナ禍の影響にて今回よりテスト場所をそれぞれ変更して行っております。データに大きく影響する部分もございますが、ご了承いただけると幸いです。

■ 西川みさと プロフィール

1977年7月10日生まれ、埼玉県出身。専大時代の1998年に「日本女子学生選手権」で優勝。大山志保古閑美保らとともにナショナルチームで海外大会に出場した。2002年のプロテスト合格後は、飛距離こそ出ないものの、ショートウッドを巧みに使う技巧派として、美しいスイングを武器にレギュラーツアーで人気を集めた。

テーラーメイド
発売日:2020/02/07 参考価格: 85,800円