クラブ試打 三者三様

G710アイアンを筒康博が試打「G700より打ち応えアリ」

2020/06/11 05:00

ピン「G710 アイアン」の評価は!?

2019年の「三井住友VISA太平洋マスターズ」にて、アマチュア優勝を達成した金谷拓実(東北福祉大)が使用していたことで話題となったピン「G700 アイアン」。その後継モデルとして登場したのが、同社史上最高の慣性モーメントを誇る「G710 アイアン」だ。今回は「G700」と比べながら、ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。変幻自在に球を操るクラブフィッター・筒康博は、どのような評価をくだすのか!?

「中空だけど中空っぽくない」

―率直な印象は?
「『G710』は中空アイアンですが、中空アイアン特有の軽い打感の印象がないことに驚きました。中空だと鍛造や鋳造モデルと比べて少し軽さの残る打感と言いますか、中が空いていることが分かるフワっとした感触になるのですが、この『G710』はそういった感触をまったく受けませんでした」

やさしい性能であるのに大きく見えない黒ヘッド

―打感が中空っぽくない…?
「はい。同社『i210 アイアン』と比べても同じくらい、しっかり打ち応えのある打感という印象です。ただ、逆にシャフトスペックが合わない人には、全体的にやや重く感じてしまうかもしれません。シャフトモデルもよく吟味して選び、マッチしたセッティングで選べば、『G700』より圧倒的に『G710』のほうがおすすめです」

中空構造で高MOIな部分は共通した性能である前作G700

―「G700」の打感はどのような感じ?
「『G700』はまさに中空らしいアイアンといった感じ。『G700』のみ試打していれば、それほど気にはならなかったのですが、『G710』と比べると、打感の改良点が明確に実感できます。『G710』は自分でしっかり打っている感覚が伝わります。『G700』は打ちにいくというよりボールをクラブが運んでくれる感覚が強い。同じシリーズでこれほどフィーリングに差があるという点に、びっくりしました」

700と710の違いを同社クラブ総出演で表現した筒氏

―それほど違います…?
「『G700』『G710』は、そもそも同社ドライバー『G410 PLUS ドライバー』『G410 LST ドライバー』をキューッと、アイアンの形になるまで小さくコンパクトにした感じのモデルなのです。見た目はアイアンですが、性能はウッド。弾道だけを比べると両モデルともほとんど差はなく、ウッドのような飛び。ただ、『G700』は打感もウッドなのに対して、『G710』の打感はアイアン。そこがこの2モデルの大きな違いだと改めて感じました」

ネック軸周りのMOIが高く かなりブレにくい

―『“ズルい”飛び系』と呼ばれる特性は感じる?
「初めは“ズルい”という意味は、飛距離だけを指したフレーズかと思ったのですが、途中から高さを含めたキャリーの飛び、という意味が含まれていることに気がつきました。トータルでの総距離ではなく、とにかく高い弾道で強い球が出るというところが“ズルい”。シャクリ気味にインパクトしてしまう人にはメリットが大きいと思います。打ち方としては、ダウンブローではなく払い打つタイプの人にマッチしそうです」

2モデルとも弾道は高く飛んでいた

―どのような人向き?
格好良さとやさしさ、両方をアイアンに求めている人。見た目は黒のカラーリングで、締まって見えることで、格好良さが引き立っています。それでいて結果を求めた時には、自分が想像している以上に様々なライに対応できる。しかも飛距離が出て、高さも出る。調子が悪くてもスコアは崩したくないという観点でいえば、絶対候補に入るモデルだと思います」

「寛容性」満点を含む高評価【総合評価4.2点】

【飛距離】4.5
【打 感】4.5
【寛容性】5.0
【操作性】3.5
【構えやすさ】3.5

・ロフト角:28度(7I)
・使用シャフト:NSプロ 950GH neo/硬さS
・使用ボール:リトルグリーンヴァレー船橋 専用レンジボール

取材協力/トラックマンジャパン株式会社、リトルグリーンヴァレー船橋

■ 筒 康博 プロフィール

プロコーチ、クラフトマン、フィッターとしてプロアマ問わず8万人以上のゴルファーにアドバイスを経験。江東区・インドアゴルフKz亀戸内「ユニバーサルゴルフ スタジオ」トッププロファイラーを務める。

ピン
進化した「飛び系」アイアン
発売日:2020/03/19 参考価格: 126,500円